TOP 経営者・リーダーのための「マインドフルネス・禅」実践塾・第1期開催レポート 茶道の精神から学ぶおもてなしマインドと風姿花伝(世阿弥)から学ぶイノベーション

2018/08/10

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経営者・リーダーのための「マインドフルネス・禅」実践塾・第1期開催レポート

第3回

茶道の精神から学ぶおもてなしマインドと風姿花伝(世阿弥)から学ぶイノベーション

  • マインドフルネス・禅
  • 経営
経営者・リーダーのための「マインドフルネス・禅」実践塾・第1期
2018年6月23日(土)に実施したプログラムのご紹介をさせて頂きます。


こちらの実践塾は、受講回数を最短3回からお選び頂き、



受講回数に合わせてお好きな回に参加して頂くスタイルとなります


随時ご参加頂けますので、ご興味をお持ちの方はこちらから詳細を
ご確認ください。>>詳細はこちら


Ⅰ.マインドフルネス・禅を再認識する
自灯明・法灯明が土台となることを再認識し、どうして自分は自分なのか、自分の人生は一体何なのか。この世の原理原則とは何なのか、哲学であり物理学でもある。という視点から本来(本当)の自己の正体を見究める。



また、今というこの瞬間に完全に気づく、心を今この瞬間に連れ戻すということでマインドフルネスを意識する。

四諦(四つの心理)・八正道も忘れてはならない。

 

瞑想法として①「止」瞑想と②「観」瞑想がある。

①「止」はサマタ瞑想ともいい、ろうそくの炎に集中したり、音や言葉を聞き、一体となる形である。

②「観」はヴィッパサナー瞑想ともいい、客観的に自分が口から息をしていることやありのままの自分を俯瞰・観察する形である。

 

マインドフルネス、坐禅の効用として、

①集中力を高める

②ストレス解消(心が穏やか)心が安定する

③洞察力が付き、頭もスッキリ、直感力・創造力が高まる

④思いやり、慈しみが育まれ心豊かになる

⑤眠りの質が上がり幸福感を覚る

⑥自分に自信が生まれる


が挙げられる。良い意味で他人の目が気にならなくなり、違いを認められるようになる。

 

Googleがチームの生産性を高める方法として辿り着いたのが心理的安全性を育むこと。実際に、結果とも結びついている。この心理的安全性の文化をつくるためにマインドフルネスも一翼を担う。

 


Ⅱ.坐禅
講義中に2回の坐禅を行う。まずは自分の状態を自覚することが大切。無自覚というのは怖く、良くない状態である。坐禅を通じて、無自覚に気づくことができる。

Ⅲ.坐禅とマインドフルネスの違い
マインドフルネス=目的を持っている、メリットを求めて(Do)
坐禅=目的を持たずに、ただただ坐る(Be)

 

Ⅳ.経営に活かす禅語
「無常」:

この世のすべてのものはつねに変化しつづけていて、定まることがない。大切なものほど変化する。

 

「脚下照顧」:

足元を照らして顧みる、現場をみることの大切さ。

 

「放下著」:

禅は引き算といわれている。ほうり投げる、捨てる事の大切さ。シンプルにすることで本質が見え、大切なものを見究めることができる。経営・事業リソースの中で手離すものはないのか?

 

「和顔愛語」:

自分の顔は見えないものである。メンバーと接するときは笑顔・言葉に気を付ける。

 

「全機現」:

松下幸之助氏、柳井正氏、津賀一宏氏の全員経営や、稲盛和夫氏のアメーバ経営、そして、ホラクラシー、ティール組織の実現にも繋がる教えである。全ての機能を表す。自分の中の個性、強み、長所を発揮すること。ダイバーシティ(多様性)の中でそれぞれが意見をいえるように、また、それを受け入れ寛容することの大切さを説いている。

 

Ⅴ.茶道の精神から学ぶおもてなしマインド
~茶道のルーツ~

鎌倉時代に臨済宗の僧、栄西が中国から持ち帰った喫茶の文化が基になっている。

その後、茶の湯は15世紀に織田信長と豊臣秀吉に仕えた千利休によって大成した。

 

・「一期一会」・・・茶道の精神を表した代表的な言葉である。
・四つ規範「和敬静寂」・・・組織やチームの心理的安全性に繋がる教えである。
・客人をおもてなしするための【設(しつら)え】・・・フォーマット化に繋がる

 

刻一刻と変化するマーケットにも対応しうる教えが詰まっている。

 

参加者の中で具体的に会社ではどのような設えをしているかを共有し、

新たな発想やアイディア交換頂く時間となった。対お客様だけではなく、昨今注目されている社員・従業員に対しての設えを取り入れている具体的なエピソードも。

 

Ⅵ.能の世阿弥の思想から学ぶ~「風姿花伝」より~

・新しきが花、珍しきが花
「新しいもの」や「珍しい」ものが花という考え方。ビジネスでも同様の考え方を。

 

・住する所なきを、まづ花と知るべし
安住の地にいてはいけない。これでよしと思ったら時に衰退が始まる。
イノベーションをし続けること。

 

・男時、女時(おどき・めどき)
男時→自分に流れがきてる、分がある。
女時→流れがきていない、何をやってもうまくいかない。

女時の時はどうしようもない、次に備える。

 

・人生にはいくつもの初心がある
「初心忘れるべからず」
一、是非の初心不可忘
一、時々の初心不可忘
一、老後の初心不可忘

 

・序・破・急
笛と足踏みを含んだ舞、音楽が少し高まり、さらに高まって行く。

 

・一調・二機・三声
笛によって調子を整え、機会を伺い、声をだす。観客の様子を伺う。

 

・時節感当
役者が舞台にでるタイミングがすべて、外してはいけない。

 

・間
コミュニケーションは間合いに尽きる。あえて話さないということもある。

 

・離見の見(↔︎我見)
離れて自分を見ること。今座っている自分を離れた所から観察する。
※我見:自分のことしか見えない

 

全体問答の時間では、改めて禅の起源について解説いただく時間となった。

 

 


各回テーマを変えての講座となるため、随時ご参加頂けます。

次回以降の講座概要とスケジュールはこちらをご覧ください。

経営者・リーダーのための「マインドフルネス・禅」実践塾・第1期 開催中!







 


<講師プロフィール>
島津清彦(しまづ・きよひこ)
株式会社シマーズ 代表取締役

 

禅の心“で人・組織を強くする「ZENマインドプロデューサー」

元スターツピタットハウス代表取締役。元ソニー不動産取締役。
東日本大震災での被災を機に上場企業の社長というキャリアを捨て、2012年、経営コンサルタントとして独立起業。その後、多くの世界一流リーダーが禅に辿り着くことを知り、自らも出家得度し仏門入り。経営者と禅僧という二つの顔をもちながら、現在は官公庁、大手企業を中心に禅を活かした経営・組織開発コンサルティングやリーダーシップ研修、講演、坐禅指導等を行う。NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』BSジャパン『日経プラス10』日経ビジネス、日経アソシエ、朝日新聞、毎日新聞、AERA、日刊ゲンダイ、夕刊フジなどメディアにも多数取材出演。著書に『仕事に活きる禅の言葉(サンマーク出版)』『翌日の仕事に差がつく おやすみ前の5分禅(天夢人)』がある。一人一人が自分の夢や使命に気づき、充実したキャリアやライフを送れるようサポートすることが使命。
座右の銘は一日一生。


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