2018/01/23
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志のリーダーシップ
第2回
シニア層の役員だからこそ「学びの投資効果」は高い(2/5)
- スペシャル対談
- リーダーシップ
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「経営者を語る。」――今回は鎌田英治氏(株式会社 グロービス マネジング・ディレクター/知命社中 代表)をゲストにお迎えします。
今回のテーマは、「難しい時代にあって、魂の入った志と目標を考え抜くためのエネルギーをどう探していくか――」。
『知命社中』という異業種の経営幹部同士が一堂に会し、6ヵ月にわたって濃密な思考と対話を繰り返すコミュニティを一昨年からスタートさせた鎌田さんと、弊社代表の井上和幸が、これからの経営者、リーダーに必要なものを語り合いました。全5回でお届けします。
井上 知命社中のカリキュラムを拝見すると、人間の本質を考えるためのセッションも多いですね。
鎌田 春日大社で権宮司を務められた岡本彰夫さんや、吉野の金峯山寺長臈(ちょうろう)の田中利典さんたちのお力をお借りして場を創らせて頂いています。ここでは宗教を巡る議論をするのではなく、その奥底にある「人間とは何か」という人間観を掘り下げています。知見豊富なお二人からいろんなことを教わって、深く考えさせられるたくさんのインスピレーションをいただいているんです。
例えば、興味深いキーワードとして「精進落とし」ということがあります。神社・仏閣の周りには門前町がありますが、門前町にあるものと言えば何が思い浮かびますか。茶屋、酒屋、料理屋などなど。もっと言えば置屋、花街などもあったでしょう。「山の行」で身を慎んで精進を積んだ人たちが、そのまま里や村に戻るのではなく、お酒を飲んだりして「精進落とし」をして里に戻る、という話です。精進を積んで、慎み深くきれいすぎる人が里に戻っても、現実社会の中で浮いてしまったり、周囲の共感を得られない、或いは受容されなくなってしまっては意味がない。だから「精進を落とし」が必要だというのです。日常人が生きている社会は、ある種の不合理や不条理、矛盾みたいなものの中で、時に弱音や愚痴を言うのが当たり前であり、それも人間である。そうした人間の弱さに寄りそうことの大切さ、「里の行」の難しさを説いているように感じます。知命社中で志を明確に立てることも大事ですが、リーダーとして深い人間理解に基づいた柔らかさ、親しみやすさの重要性に通じる話しとも言えます。
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