2018/06/18
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スペシャルコラムドラッカー再論
第126回
「知識組織」。
- エグゼクティブ
- マネジメント
- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
「かくして今日、個々の仕事の再設計とともに、組織全体の再設計が必要とされている。知識社会においては、はるか下の階層においてさえ、あらゆる仕事が組織全体の目標に焦点を合わされる。あらゆる仕事が貢献に焦点を合わされる。つまり、そのようなものとしての、それぞれの目標をもつ。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』、1973年)
かつて(が、いつのことかという議論も必要だが)のピラミッド型組織におけるミドルの仕事のように下に対する権限を中心に組織する訳にはもはやいかない、とドラッカーは45年前に語っていた。
かつてはミドルの仕事というものは、狭く、権限のどこに限界を設定するかが最大の問題だった。
「しかし知識組織においては、「この仕事が行うことのできる最大の貢献は何か」を考える。焦点は権限から責任へと移行する。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』)
また、当時から今に至るまで、知識社会における事業活動の結果や事態は思いもよらない動き方をする。
上手くいくだろうと思われた事業が失敗し、思わぬところからヒット事業やヒット商品が出たりする。今日爆発的に売れていたものが、明日は在庫の山となる。
だから、
「知識組織においては、あらゆるプログラム、プロジェクト、プランについて「誰が計画変更の権限を持つか」を決めておかなければならない。その結果、かつての組織では思いもよらなかったほどの権限が、新種のミドル(※前回、第125回参照)に与えられることになる。」(『マネジメント–-課題、責任、実践』)
知識社会における「知識組織」においては、ラインのミドルでさえ意思決定の一翼を担い、意思決定の内容を理解していなければならない。そしてその権限をもたなければならない。
「知識に基づく権威だけでなく、実際に命令する権限までもたなければならない。命令の権限を与えられていない場合には、少なくともそれが誰に与えられているかを知らされていなければならない」(『マネジメント–-課題、責任、実践』)
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