2015/12/07
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スペシャルコラムドラッカー再論
第4回
生産性UPの秘策は?
- マネジメント
- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
「生産性とは、最小の努力で最大の成果を得るための生産要素間のバランスのことである」(『現代の経営』)
「最小の努力で最大の成果」、なんとも甘い響きだが、言うは優しく、だが、では、どうやれば「最小の努力で最大の成果」が得られるというのか?
ドラッカーに答えを求めてみた。
「知識労働者の生産性を向上させる条件は、大きなものだけで六つある。仕事の目的を考えさせる。生産性向上の責任を負わせる。イノベーションを行わせる。継続して学ばせ教えさせる。量よりも質が問題であることを理解させる。彼らをコストではなく資産として遇する」(『明日を支配するもの』)
目的、責任、イノベーション、継続学習、質、資産。ドラッカー流のキーワードが並ぶ。
一つひとつが重要で、今後、このコラムでも掘り下げていくことになると思うが、今回はこの中からひとつ、「継続学習」について拾ってみたい。
「知識労働者とサービス労働者の生産性向上には、継続学習を組み込むことが必要である。知識は、その絶えざる変化のゆえに、知識労働者に対し継続学習を要求する。サービス労働者に対しても、継続的な自己改善努力としての継続学習を要求する」(『ポスト資本主義社会』)
「生産性向上のための最善の方法は、他人に教えさせることである。知識社会において生産性の向上をはかるには、組織そのものが学ぶ組織、教える組織とならなければならない」(『ポスト資本主義社会』)
生産性UPの鍵は、学び続けることと、教えさせること。一見、「最小の努力で最大の成果」とは逆?とも思えることだが、経験的に大きく頷ける読者の方もいらっしゃることと思う。次回、もう少しこれについて掘り下げてみたい。