2022/06/03
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経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える
第36回
誰にでも起こりえる、転職3大ギャップ。あなたならどうする?
- キャリア
- 転職
- 伊藤 博紀 株式会社 経営者JP ディレクター 兼 エンタープライズサービス統括本部 部長
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前回コラムで「転職失敗」を引き起こさないための3つの予防線をお話させていただきました。しかしながら、入念に予防線を引きながらも、新天地への転職直後に「理想と現実のギャップ」に悩んだことのある方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、転職時に誰にでも起こりえる、転職3大ギャップの壁にぶつかった時に考えるべきポイントについて、お話したいと思います。
誰にでも起こりえる、転職3大ギャップとは
転職におけるギャップには、ご事情によって、さまざまな理由があると思います。今回は私が転職ご相談をいただく中で、特に多い「転職3大ギャップ」を以下にご紹介します。1)企業風土・社風におけるギャップ
以前の所属企業では通用していた業務の進め方、考え方などにおける「暗黙の了解」が通用しないことで起きるギャップ
2)期待役割におけるギャップ
入社前の期待役割と比較して、入社後の実際の役割範囲が広域的(負荷増)、もしくは局所的(やりがい低下)なことで起きるギャップ
3)昇進・昇給におけるギャップ
入社前に確認していた人事評価制度と比較して、実際の昇進・昇給スピードが想定以上に遅いことで起きるギャップ
一時の感情で判断しない、「ギャップの源泉」を見極める
いずれのギャップも起こりえる要因は、企業と転職者間における理想イメージの差から生まれるものです。この理想イメージの差は恋愛における相性と同様に、一足飛びに擦り合うものではなく、しっかりと形成していく必要があります。ギャップを感じた場合、まずは「ギャップの源泉」が何だったのか、どのようにして生まれたのかを冷静に分析してみましょう。時と場合によっては、双方で話し合えば、なんてことのない解消できる小さなギャップの場合もあるからです。
一時の感情で「このギャップは埋まらない…」と判断することは、中長期的な視点でキャリア形成を行う上で、得策ではありません。一時の感情だけで判断するのではなく、事実に基づいて、「ギャップの源泉」を分析した上で冷静に判断してください。
同じギャップにハマらない、新天地イメージの解像度を高める
しかし、どれだけ話し合ってもギャップが埋まらず、新たなフィールドでの転職を検討することもあるでしょう。もし、短期間での転職活動を開始すると判断した場合、前回の活動以上に新天地イメージの解像度を高めてください。そうでなければ、短期離職を繰り返してしまうリスクが高まってしまう傾向があります。ここで一例として、新天地イメージの解像度を高めるための考え方の事例を挙げてみたいと思います。ぜひ一緒に考えてみてください。
仮に、あなたが「企業風土・社風におけるギャップ」による短期間での転職活動を検討している場面だとします。そのような状況下で、次の2つの質問を問われたら、あなたはどのように回答するでしょうか。
質問1)入社前に、新天地の企業風土・社風を十分に確認しましたか?もし十分に確認していた場合、どのように確認していましたか?
質問2)次の新天地が、どのような企業風土・社風であれば、即時に適応できますか?逆に、適応できない企業風土・社風は、どのようなイメージですか?
いかがでしょうか。あなたなりの具体的な回答をイメージすることができましたでしょうか。もし、この2つの質問に対して、具体的な回答をイメージできなかった場合、転職活動を開始するのはとても危険です。
短期間での転職活動においては、誰しもが精神状態が何かと不安定になりがちです。そのような精神状態では、気付かない間に、現職と同様のギャップをお持ちの企業を選択してしまう可能性があります。
逆に「ギャップの源泉」をしっかりと分析できている場合、応募時から適正な判断ができるはずです。だからこそ、ご自身と向き合う時間を作り、問いかけてみてください。
なによりも、あなたにとって、かけがえのない出逢いがあることを願っております。