TOP 経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える 是非来て欲しい幹部候補に出会った時の、三つの勧め

2022/06/24

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経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える

第37回

是非来て欲しい幹部候補に出会った時の、三つの勧め

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経営層・幹部層の採用は一期一会。
複数回の選考を経て「この人こそ!」と思えた時に、最後の一押しとして意識すべきことは何でしょうか。

 

幹部採用に取り組む企業側の皆さんに、最終面接を終えた後のタイミングで大切なポイントを三つご紹介できればと思います。

 

オファーレターに記載されていない評価や期待を伝える

選考の過程では、自社のニーズにその方がマッチするお力・経験があるか「査定をする」コミュニケーションになりがちです。しかし終盤では、内定という結果やオファーの概要だけでなく、そこに至る御社の考えや、何故その人なのか、を伝えることが大切です。

 

これは経営層・幹部層であれば、候補者側も給与や肩書だけでなく、企業側との価値観の合致や、中長期的な役割などを総合的に見て判断をされるからです。
意外に見落とされがちな例を二つ記載します。

 

・何を評価したのか伝える

 

内定を出す際は、「今の社内の人とうまくやれる人柄だと感じた」「困難な状況を攻略してきたご経験から、再現性の高さを感じた」「選考の中で話された〇〇〇という価値観が、社長の想いと合致していた」など、様々な観点を以て評価をしているはずです。しかし候補者には上手く伝わっていないケースが実際にあります。
候補者が自分の何を買ってくれているのかを理解し、その内容に腹落ちしている状況を作れていないようであれば、それをお伝えする場をセッティングすることをお勧めします。

 

・中長期的にどんなことを期待しているのかを伝える

 

入社直後の期待については、選考過程ですり合わせがされていることと思います。中長期的な視点ではどうでしょうか。
例えば「直近のミッションの後には、〇〇のようなより大きな事業課題に関与し、ゆくゆくは経営層としてこの部門を統括してもらいたい」というような将来への期待値です。もちろんそれは約束事ではなく、入社後のパフォーマンス次第であることは前提ですが、現時点での期待として是非お伝えしてください。
これにより候補者としても、単純に今足りない部分を埋めるためだけでなく、一緒に今後の会社を作っていくことを期待してもらっているのだと感じ、それに応えたいというモチベーションにも繋がります。

スピード感によって熱意とご縁を演出する

仕組みが整っている会社であれば、内定の方向性が決まってからオファーを出すまでに社内調整が必要になり、一定の時間を要することもあります。しかしここでは、最大限スピードを早めて調整しきること(その前に必要な根回しや確認は極力済ませておくこと)をお勧めします。

 

この工程が早いというだけで、採用側の「あなたに参画いただきたい」という想いが伝わり、候補者側としては一つの好印象材料となります。またそうした選考のスピード感や気持ちの良さを、「これもご縁」と感じる候補者も多いのです。

 

特に幹部層の採用は関与する方も多く、調整を要するのが一般的です。複数社を受けている候補者の場合は、即座に対応してくれる会社の印象は強くなります。些細なようで、案外ポジティブに作用することが多いのです。

 

駆け引きはせず、絶対評価で向き合う

駆け引きとは例えば「まずは検討できる年収額の最低ラインで提示し、難色を示された場合や、他社のオファー条件に大きく劣る場合につり上げを検討する」といったことです。

 

エージェントに支払う手数料などを踏まえると、できるだけ低コストで採用を成功させたいというお気持ちも分かりますが、これが功を奏すことはあまりありません。
候補者によっては「だったら最初からそう提示してくれれば良かったのに。足元を見られているのだな。」と逆に心証を悪くすることもあり得ます。

 

そのため相対評価ではなく絶対評価で、御社からの期待を提示年収に落とし込み、最大限のオファーを出すことをお勧めします。その上で他社がそれ以上の待遇であれば、中長期的な伸びしろや役割期待、もしくは社長からの熱烈なメッセージをお伝えするなど、ご年収以外の観点で訴求をすることに注力すべきです。

 

以上、「伝える内容」「進め方」「向き合い方」の観点で、三つの勧めをご紹介しました。

 

候補者側も一流のビジネスパーソンである前に一人の人間です。全てを合理的に判断するわけではなく、最後の意思決定に感情や印象は大きく影響します。
気持ちの良いご決断を以て、双方に迷いなくお仲間として迎えられるよう、最後の細部までこだわって採用を成功させていただければ幸いです。
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