TOP 経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える 「転職失敗」を引き起こさないための3つの予防線

2022/04/25

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経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える

第33回

「転職失敗」を引き起こさないための3つの予防線

  • キャリア
  • 転職
  • 伊藤 博紀 株式会社 経営者JP ディレクター 兼 エンタープライズサービス統括本部 部長
 

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「こんなはずじゃなかったんです…」

 

日々、多くの方々から転職のご相談をいただく中で、新天地への入社間もない方から短期間での転職のご相談をいただくことがあります。新天地での心機一転のスタートを迎えたにも関わらず、このような状況は誰しもが避けたいことですよね。しかしながら、現実問題として、いわゆる「転職失敗」は起きてしまっているのが実情です。

 

なによりも新天地でのご活躍を願い、中長期的なキャリアアップをご支援させていただきたいと考えている中で、事前に避けられたであろう「転職失敗」は絶対的に避けたい事象だと感じています。そこで、今回は「転職失敗」を引き起こさないための3つの予防線について、お話できればと思います。

 

予防線1:応募前に、あなた自身のキャリアビジョンを明確にする

実は「転職失敗」を経験したことがある方には、ある特徴的な共通点があります。その共通点とは明確なキャリアビジョンを持たないまま、”なんとなく”で転職活動を開始してしまっているという点です。

 

キャリアビジョンとは、ご自身の将来ありたい姿です。このキャリアビジョンが明確になっていない方に新天地のイメージをお伺いすると、「私の経験が活かせるところであれば、特にこだわりはありません」「新天地では、経営ポジションにチャレンジしたいと考えています」と、肝心な「なぜ」が抜けている場合が多く見受けられます。

 

必ずしも転職のご相談をいただく際に、キャリアビジョンが明確になっている必要はありません。実際に、転職面談を通して、「俯瞰的にキャリアの棚卸が出来ました」「自分だけでは気付けていなかった、キャリアの方向性が見えました」との声をいただく場面は多くあります。このように転職面談の中で、キャリアビジョンの輪郭を探っていければ全く問題はありません。

 

ただし、求人への応募時点では「この求人は、自分のキャリアビジョンに合致しているのか」と、しっかりとご自身で判断してください。逆に、”なんとなく”で求人に応募してしまうと、企業からオファーをいただいた最終局面で、一目で分かりやすいポジションや年収だけで新天地を決めてしまい、入社直後に大きな違和感を覚えてしまう場合があります。

予防線2:選考時に、ビジョン・ミッションへの共感・共鳴度合いを確認する

次に「転職失敗」が起こってしまう大きな要因は、「入社前のイメージ」と「入社後の実態」とのギャップにあります。ここでの「入社前のイメージ」とは、あなた自身の新天地の企業に対するイメージと、新天地の企業があなたに期待する役割のイメージの大きく2つの意味合いがあります。

 

新天地の企業が目指すビジョン・ミッションに共感し、あなた自身が成し遂げたいことと共鳴しているのか。その上で、あなた自身に期待される役割は、これまでの経験、リレーションなどを十分に活かせる役割なのか。選考プロセスの中で、「入社後の実態」をあなた自身の眼でしっかりと見極めてください。

 

とは言え、「こんな質問して、先方の企業に悪い印象を持たれないかな…」と不安に思うこともありますよね。もし、ご自身から選考中の企業に確認しづらいことがある場合は、担当エージェントを上手く活用するのも1つの方法です。

 

例えば、私の場合、転職相談者の方が企業との初回面接を終えた時点で、「次ステップに進めた場合、確認したいこと、現時点での懸念点はありますか?」と確認させていただいています。もし把握できている事項であれば、即時に情報共有できますし、把握できていない事項であれば、第三者の私から先方の企業にフラットに確認することで、企業からのあなたの印象への影響を留めることが可能です。

 

予防線3:最終局面までに、新天地を決める上での決め手を定める

最後に、選考プロセスの最終局面に入る前に、新天地を決める上での決め手(譲れないこと&優先順位)を定めておいてください。最終的な決め手は、人それぞれですが、その方が大切にしている価値観に大きく左右される場合が多いように感じています。例えば、「家族に誇れる仕事なのか」「社会的意義を感じる事業なのか」など、その方独自の価値観です。

 

ここで最終的な決め手を定めきれていない場合、前述でもお伝えしたように、どうしても一目で分かりやすいポジションや年収に判断の比重が大きくなってしまいがちです。本来であれば、ポジションや年収以上に優先順位の高い決め手があったにも関わらず、最終局面の中で冷静な判断ができなかったばかりに、のちのち後悔してしまう方も少なくありません。

 

だからこそ、ポジションや年収以上に、仕事の中身やテーマについての大切にしたいこと、譲れないことで最終意思決定してください。ぜひ悔いのない最終決断を行っていただければと思います。なによりも、良いご縁との出逢いがあり、あなたの新天地でのご活躍を強く願っております。
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※現状ご経験に合う案件情報が無い場合には、案件情報が入り次第のご面談とさせて頂く場合がありますこと、あらかじめご了承ください

プロフィール

  • 伊藤 博紀

    伊藤 博紀

    株式会社 経営者JP ディレクター 兼 エンタープライズサービス統括本部 部長

    1984年広島県生まれ。創業55年以上の実績を積み重ねてきた経営者である祖父の後姿を幼少期から垣間見る中で、祖父が持つ実直な「経営観」、懐の深い「人生観」に強い影響を受ける。大学卒業後、ITコンサルティングファームのフューチャーアーキテクトに入社。流通・小売業界を中心に、要件定義、システム設計・構築、運用保守までを一気通貫して従事。ゼロベースから課題解決策を考え抜き、導き出す力、実現策をスピーディに実行に繋げるためのシステム構築力を習得する。その後、2012年に総合系コンサルティングファームのシグマクシスに入社。投資総額数百億円を超える大型プロジェクトPMO、次世代IT化戦略構想等に従事し、2015年に年間プロジェクト表彰を受賞。これまで様々なお客様のプロジェクト実現に携わり、「ヒト」に関するお客様の多種多様な悩み・課題に直面してきた中で、「社会に変革をもたらすリーダーをプロデュースする」というミッションに共感し、2018年に経営者JPに参画。独自のイマジネーションで、お客様の採用ニーズと候補者様の想いをお引き合わせすることをモットーとし、CxO・経営幹部層の方々のキャリアをプロデュースする。

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