2022/03/25

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経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える

第30回

面接での致命的な失言集

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経営層・幹部層である皆さんの転職において、面接で失言となり得る言葉があります。よくある例をいくつか記載しますので、せっかくの機会で勿体ない発言をしないよう、是非参考にしてみてください。

 

「エージェントに勧められたので受けました」

これは直観的に失言であると同意いただけると思います。
エージェントに紹介されて同社が選択肢に入ったというのは、多くの場合事実でしょう。面接官側も分かっています。その上で、何故応募するに至ったのか、何に興味を持っているのか、あなたの意思の部分を聞きたいわけで、こう言われてしまうと「どこでも良かったの?」と一気に温度感が下がってしまいます。
明確な応募意思を持てる(話せる)企業だけに絞り、しっかりと意欲をお伝えすることをお勧めします。

 

「こだわりはありません」「ご期待いただければ、求められる役割で貢献します」

「〇〇さんはうちの会社で(もしくはキャリアの中で)どのようなことをしたいですか?」と問われた際の返答でよくある回答例です。
前提として、求められるところで結果を出してきたということは、素晴らしいことです。かつこの言葉は一見「柔軟性や受容性がある」と捉えられそうな気もします。
しかし実際には、幹部層という大きな責任があり人を巻き込む立場においては、この言葉も「主体性の欠如(ご自身の意思の欠如)」と捉えられます。そもそも経営層が幹部層の採用で求めているのは「事業成長やそれによる社会へのインパクトを本気で一緒に追い求められる同志」かつ「強い主体性を持ち、社内外を巻き込んでビジネスを推進していただけるリーダー」です。そんな期待を持つ面接官からすると「良いご経験をお持ちだけど、いまひとつグッととくるものが無かった」という印象になり得るのです。

 

またエージェントとしての私の経験上、本当にこだわりが無い方(条件さえ合えばどこでも良い方)はいません。ただ多くの方はそれを上手く言語化できていないだけなのです。転職を考えた背景と紐づけて、次はどんな場所で何を実現したいのか、深堀りをしてもらえればと思います。

質問をしない

面接では、最初か最後に「何かご質問はありますか?」と聞かれます。それに対して「ありません」という回答は、相手にどう映るでしょうか。
面接を通してどれほど活発な議論ができたとしても、事前調査や一時間の面接で一切の疑問が解消されるということは無いでしょう。そこで質問が全く無い方は、「自分事に落とし込んで考えられていないのかな」「あまり強い興味をお持ちではないのかな」と捉えられる場合があります。
何でもいいから聞けというわけでもありませんが、実際に参画することを前提とすれば、質問は必ず出てくるはずです。先方もそれを待っていますので、是非積極的に質問をしてください。

 

理念や固有名詞についての言い間違い

例えばですが、【〇〇によって”世界”を良くする】という経営理念を持つ会社との面接で、「御社の【〇〇によって”日本”を良くする】という理念に共感し・・・」と言ってしまったとします。その会社が「日本に留まらず世界に打って出るのだ」という明確な意思を持ってこれを掲げているのであれば、これは根幹となる価値観の誤認となります。
またこれは単に言い間違えたことではなく、付け焼刃で理念への共感を示そうとしたことや、情報収集の甘さ、相手へのリスペクトの欠如など、面接に臨む一連の姿勢に対して悪い印象を持たれる結果となります。
単純な例なので「そんなミスしないよ・・」と思われそうですが、他にもローマ字表記の社名やサービス名の読み間違いや、理念やサービスについて競合のものと混同して話してしまうことなど、複数社の選考を並行させることが一般的な転職活動では実際にあることです。
経営者に限らず、そうしたものには時にご自身の名前以上に想いや背景が詰まっていることが多いです。相手としては単純に気持ちよくありませんし、何より「他の言葉も心からのものではないのだろう」と受け取られる可能性もあるので、細部まで関心と注意を払って臨んでください。

 

以上、経営層・幹部層の採用面接における失言を4つ紹介しました。
相手は幹部として同志となってもらえる方を探しているという前提を認識し、面接官の考えや意図を察しつつ、お互いにとって実りのある面接にしてもらえればと思います。

 

最後に、その他の良くある失言をまとめてみました。

 

・「もっと裁量が持てると思っていた」「経営者のやり方に納得ができず」といった不満ばかりを伝える
(だから次はこうしたいという前向きな希望・意欲まで話さない)
・取り組みや実績の経緯を聞かれた際に「会社や経営層から指示があったから」と返答する
・転職で重視したいことを聞かれ「待遇と、勤務地です」と返答する
・「御社の売上は海外の方が多いのですか?」「何店舗展開されているのですか?」といった調べれば分かることについて質問をする
・経営者との面接で福利厚生や勤務時間などについての質問をする
・「御社に入って〇〇の業務(その他事業・経験など)を勉強させていただきたい」と言う

 

いかがでしょう?相手にどう受け取られるかを想像しながら、あなたならどうするかぜひ考えてみてください。
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