2021/04/15
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戦略HRBPから見た、人・組織・事業・経営の現在&これから
第12回
答えのない時代に、答えのない質問に答える:リーダーの指南書
- キャリア
- 組織
- 桜庭 理奈氏 35CoCreation合同会社 CEO
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とある全社員会議にて:
「昨今のコロナによる状況を鑑みて、わたしたちは働き方を根本から見直す必要があります。これまでは会社に出社することを前提として、わたしたちは働いていきましたが、コロナ禍でリモートワークが進んだことで、この度当社では、オフィスを実体のあるものではなく、バーチャルな場としてオフィスを位置づけることにしました。
対象ですか?基本全員です。皆さんには自宅や働きやすい場所から働いてもらえればと考えています。
Wi-FiやPC、デスクの購入費が出るかですか?そこは上司の承認次第です。
上司がだめだと言えば、出してもらえないということか、ですか?いや、そういうわけではなく、基本上司が適正と判断した時に限ると言えばいいでしょうか。とにかく、わたしに聞くのではなく、各自上司に聞いてください。
今後一生リアルで働くという日が来ないのかですか?コロナの状況によりますが、わたしの個人的な意見でいえば、きっとまた皆肩を並べて働ける日が来るはずですから、安心してください。これはあくまで暫定的な決定です。わたしが個人的に約束します」
先述のやり取りは、実際にわたくしのクライアント先の経営リーダーが、コロナ禍において働き方を変えるにあたり、全社員を集めて行った全社員ミーティングでの内容の一部です。今回のコロナのような、不確実性が高く、不確定要素が多いために、先行きが見通せない中で、経営のかじ取りと判断を下し、それをチームや顧客へと伝えていくことの難しさは、粒度は違えど感じている経営者やリーダーもいるのではないでしょうか。
自分でも答えが出せないものに対して、説明責任を負う役割にいる経営者やリーダーに答えを求める社員を前に、本音で語りたいという想いと、本音で語ることの怖さ、すべての答えが自分にさえないことをさらけ出すことの不安から、つい空約束をしてしまったり、なだめるために本質的な質問への答えを避けてしまって、社員からの不信感を買ってしまうことはありませんか。自分自身も、長年組織の人事を預かるリーダー職を務めてきたからこそ、皆さんと同じような不安、恐れ、苦しさから、先にあったような失敗も多くしてきました。VUCAな時代が到来し、これからも変化が激しく、時代の節目ですべてが見通すことが難しい環境の中で、リーダーとして「答えのない質問に答える」ということに対して、新しいマインドセットとスキルで臨む必要がありそうです。
今日はそんなお悩みを持つ方へエールを贈ります。
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