2019/02/01
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イマ、ココ、注目社長!
第8回
「ゲームプレイ」と「ゲーム観戦」をさらに上位のエンターテイメントへ昇華させる!【後編】
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前編に引き続き、eSPORTSイベントの企画・運営や、映像制作・配信、そして、世界を目指すプレイヤーの支援・マネジメントなどを行うウェルプレイド株式会社の谷田優也さんと高尾恭平さんにお話を伺います。
〝ゲームの外〟にプレイヤーと観客がゲームに熱狂できる理由(仕組み)を創る。
――御社は今どういう動きをされていらっしゃるかを、その背景も含めて、改めて教えていただけますか。
谷田 直近だと、「日本ではなぜこんなにeSPORTSが流行ってるんだ?」という話があります。要は、日本ではゲームが出すぎているんですね。年間に100個とか200個とか出てくる中で、ユーザーもどれで遊んだらいいのかわからないような状態になっている。そこでゲーム会社さんが何を考えているかというと、1分でも1秒でも多く遊び続けてくれる人を増やすことです。つまり、継続率の高いユーザー、俗にいう「ロイヤルユーザー」をどうやって囲っていくかが、めちゃくちゃ重要なんですね。
例えば、一日に100万人がダウンロードしてくれても、次の日に遊んでくれなかったら意味がない。「初動よりも継続率が重要」というのが彼らのマーケティングのキーワードとして出てきています。
一方、ユーザー側としては、ゲームが面白いのは当たり前。ゲーム以外に時間を使う選択肢が他にもたくさん増えている中で、そのゲームをやり続ける理由を欲しがっています。何年もやり続けているゲームでもむなしくなれば辞めてしまうし、面白ければずっと続ける。この「やり込む理由」というのは、メーカーもプレイヤーも欲しいわけです。
では、そこでウェルプレイドが何を掲げて一生懸命にやっているか。面白いゲームはゲーム会社さんに作っていただくとして、《その〝ゲームの外〟にゲームを続けたくなる理由を創るプロフッショナルでいる》ということです。
「このゲームをやっていてよかったな」とか、「このゲームをやっていたらこんな価値観に出会えた」みたいなことをみなさんにも体験していただきたい。「そのためにメーカーさんはどんなことをしていけばいいのか?」ということを考える専門チームでいるということですね。
――お二人自身からして、『ストリートファイター』と出会っていなければ、高尾さんと出会っていないわけですよね。
谷田 出会っただけでなく会社まで創って、社員を30人も抱えて4年も会社を運営することにもなった。だから、「このゲームをやり続けて良かった」ということを、僕はたぶん10年経っても20年経っても、自分の子供にも言えます。
僕たちはeSPORTSが流行ってきたから会社を創ったのではなく、eSPORTSという箱の中に、たくさんの価値を詰め込むためのお手伝いがしたい。例えば、単純に勝った負けたの面白さに加えて、「ゲームをずっとやっていたらこんな出会いがあった」とか「こんな絆が生まれた」とか「こんな価値観に出会えた」とか「賞金がたくさんもらえた」とか「すごい有名人になれた」といったことですね。
5つの層のユーザーに対して〝ゲームを続けたくなる理由〟を提供しつづける。
谷田 ゲームを作っているときに上司からよく言われたのが、「ライトユーザー」と「ミドルユーザー」と「コアユーザー」という3つの層をどう作っていくか? という話でした。つまり、そのゲームをやったことない人にちょっと遊んでもらうきっかけを作り、軽くハマってもらう。そしてそのユーザーがめちゃくちゃハマれば、そのゲームを辞めないと思われていたわけです。しかし、今はコアユーザーでさえ、そのゲームをやる理由がなくなったら瞬間的に辞めてしまう、という厳しい戦場です。その中で、さらに「プロ」も台頭してきた。ここでいう「プロ」とは、お金をもらっているかどうかではなく、ユーチューブやSNSなどを通して「一般ユーザーに名前を知られているユーザー」という意味です。
一方、野球を例に考えてみると、実際に野球をやっている人よりも、野球をやらないで見て楽しんでいる人たちの方が圧倒的に多い。要は、それと同じようなことが今後ゲームでも起きるだろうなと思ったときに、「ゲームは好きなんだけどそれをやる時間がないから観て楽しむ」とか、「誰かの上手なプレイを観ていることが好き」という人たちも、別の領域だけれどもゲームのユーザーとして捉えることはできるのではないかという話をメーカーさんにすると、すごく納得してもらえるんですね。
――なるほど。見る人がいるということですものね。
谷田 そうです。大会があるだけですと、eSPORTSとして成立していない。観る人とやる人、両方がいてこそコンテンツとして成立するのかなと思っています。