2019/01/30
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イマ、ココ、注目社長!
第7回
「ゲームプレイ」と「ゲーム観戦」をさらに上位のエンターテイメントへ昇華させる!【前編】
- 注目企業
- 組織
- 経営
- 経営者インタビュー
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「eSPORTS」がオリンピック競技となるのも時間の問題と思われる中で、今注目されている企業があります。
eSPORTSイベントの企画・運営や、映像制作・配信、そして、世界を目指すプレイヤーの支援・マネジメントなどを行うウェルプレイド株式会社です。
同社は、《ゲームが上手いことで海外の人からも賞賛されるという強烈な原体験を持っていた谷田優也さん》と、《ゲームの上手い人間が社会的に評価されること、ゲームがオリンピック競技に採用されることを子供の頃から願っていた高尾恭平さん》の二人が創った会社。
その物語は、今から8年前、共に強いゲーマーであり、優秀なビジネスパーソンでもあった彼らが、渋谷のゲームセンターで、『ストリートファイター』で戦うようになったことから始まります。

ゲームの上手い人たちは社会的にもっと評価されていい。
――まずは、お二人が知り合ったきっかけや、会社を創った経緯からご紹介いただけますでしょうか。谷田 実は、知り合ったのは渋谷のゲームセンターなんです(笑)。『ストリートファイター』という格闘ゲームで、お互いの素性も何も知らず、いつもゲームセンターで対戦していました。ある日、僕たちしかいない状況で3、4時間戦っていたことがあって、「おまえ結構やるなぁ」みたいに話しかけたら、なんと同業者だった。
当時、僕は角川グループでスマートフォンのソーシャルゲームを作っているプロジェクトチームにいて、高尾は『エニッシュ』(当時の名称はシンフォニー)という会社のゲームデザイナーでした。それが8年前のことです。その後は、年に3、4回くらい飲みに行って、いろいろ話をする中で、高尾から「いつかオリンピックでゲームセンターのゲームが競技として採用されるのが小学校の頃からの夢です」という話を聞きました。
――熱くてステキな出会いですね。
谷田 僕がゲームをどれくらい一生懸命にやっていたかというと、当時『ストリートファイター4』というゲームが流行っていたんですが、「ザンギエフ」というキャラクターのランキングで、家庭用のゲーム機の中ではアジア4位ぐらいでした。
その頃は、いろいろなゲームでプロゲーマーが生まれるか生まれないかの時期で、プレイヤーが大会などに出ることで評価され、みんなに知ってもらう機会がたくさんできていました。僕もそうです。
例えば、クウェートから大会の招待状が届いたり、仕事で台湾とか香港に出張しているときなどには、現地のプロゲーマーから連絡が来て、「なんでこの地域にいるのに俺に連絡してこないんだ? 対戦してくれよ」と言われて、仕事以外の時間は全て対戦していたこともありました。
また、ある大会に出て活躍したら、それまで仲間内だけで遊んでいたツイッターのフォロワーが一気に3、4000人増えたこともあります。要するに、ゲームが上手いということで、国内外問わずに名前を知られてチヤホヤされるという経験を、僕自身がめちゃくちゃ経験してきたんです。
僕のレベルですらここまで評価されるんだったら、もっと上手い子たちは、もっともっと社会から評価されるべきだ――。
そう思ったところで、周りを見回してみると、彼らがゲームに専念できる環境なんて全くないし、彼らを応援したり、盛り上げるような企業もなかった。それで、そういう会社をやりたいなと思ったんです。そのときに最初に声をかけようと決めていたのが、オリンピックのことを語っていた高尾でした。当時、彼は韓国でエニッシュの子会社の社長をやっていたんですが、この話をしたら賛同してくれて……、会社の社長ですから、辞めるのは大変だったと思いますが、それでも来てくれました。
高尾 頭おかしいですよね(笑)。
――谷田さんから連絡が来たとき、何かピンと来たんですか?
高尾 そうですね。「たぶんeSPORTSの話だろう。会社を辞めると言っていたから、それ系の会社を立ち上げるつもりでいるんだろうな」とは思っていて。であれば、自分もやろうと思いました。そのときは、決してすぐに辞められる立場ではなかったんですが、人生単位で考えたときに、「今じゃないとダメだな」という思いが勝ってしまった。そんな自分のわがままを受け入れてくれた会社には感謝しています。