2018/07/20
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異能の経営者 ~ I know. ~
第3回
【田中由佳氏】自分を前面に出せば、合う顧客がついてくる。(Vol.3)
- 経営
- キャリア
- 経営者インタビュー
- 田中 由佳氏 株式会社神美 代表取締役社長
田中由佳氏は、「パーフェクトライン」を全国展開する株式会社神美の代表取締役社長。「パーフェクトライン」はセルライト潰しに特化して急成長するエステだ。
田中社長がエステ業界に入ってからは、どん底の連続だったという。どのような「底」を経験し、どのように這い上がっていったのか。
その過程の中には“営業活動の本質”が隠されていた。辛い時代を振り返っていただきながらも、詳しく話を聞いてみた──。
■多数のクレーム。退職勧告。それでも這い上がる。
――いよいよ社会人としてエステのお店に入られました。
入社してからは、どん底でしたね。当時のエステって、スタッフがものすごく綺麗な人ばっかりだったので、入社する時に「美人でもない私なんかが」って負い目もありました。でも、そこの社員で至ってフツーの人がいて、その人がめっちゃ売っているという話を聞いて、正直「あの人で売れるんだったら私もいけるでしょ!」という感じで臨んだのですが、まったくダメで1円も売れない。売れないだけでなく、ひどい状態でした。
――具体的にはどんな感じだったんでしょうか?
まだ施術のデビューもしていないのに、お客様から「あの子、雰囲気が嫌」っていうクレームが多かったんです。当時のエステって「こんにちは~」みたいな“しっとり系”だったんです。ただ私の接客スタイルは「こんにちは!!!」みたいな元気な感じで。それと「足音が嫌」とか言われましたね。「そんなにバタバタ歩かないで!」みたいに。他にも「ドアをバーン!って開けないで」とか。私はそんなつもりは無いんですが、そういう“がさつ”な感じが嫌だって言われてクレームだらけ。それに“お手入れ”と呼ばれる施術もなかなか上達せず、デビューできずに雑用ばかりでした。
――それからどうなるんでしょうか。
ようやくデビューすることができたと思ったら「お手入れの仕方が雑」とか「痛い」とか、やっぱりクレームを言われて。「なんなんあの子」「嫌い」「イヤ!」みたいに言われ続けて、せっかくデビューできたのにどんどん追いやられていきました。当時のエステは2ヶ月で200万円ぐらい個人で売上を出さないと「辞めてもいいよ」みたいなことを言われていたんですけど、もちろん全然届かなくって。自分では頑張って努力した行動なのに、お客さんからはクレームだらけだし「こんなんなら辞めてやる」って今までだったらすぐ辞めていたのに、親友の姉ちゃんの顔を潰すわけにもいかないし、実際に「絶対にやめないでね」って言われてるし。辞められず、逃げ出せず、もうやるしかなかったんです。
――会社からは何か言われないのでしょうか?
会社からも「辞めろ」ってめっちゃ言われてました。私だって辞めたいと思ってたけど親友の手前、言えないじゃないですか。喉元まで何回も「辞めてやる」って言葉が上がってきましたけど出せなくて。「辞めろ」って言っても全然辞めていかないし、多分マネージャー達もどうしていいか分からなかったんでしょうね。「じゃあ、自分でテレアポしてお客さんを取ってみたら?」という話になりました。
――テレアポですか。
ええ、新規顧客の集客はテレアポでやっていた会社だったので、...
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