2018/07/06
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異能の経営者 ~ I know. ~
第1回
【田中由佳氏】急成長するエステ経営の裏にあった「逆張り思考」。(Vol.1)
- キャリア
- 経営
- 経営者インタビュー
- 田中 由佳氏 株式会社神美 代表取締役社長
■インパクトを出すために、あえて「逆張り」で。
――でもそれが功を奏して、どんどん拡大していったわけですよね。
パーフェクトラインを始めて最初の1年目はフランチャイズ含めて10店舗くらいでした。でも、その次の年で50店舗くらい増やして。だから1年半で70店舗弱くらいですね。フランチャイズの申し込みも含めると100件は超えていましたけども。
――急激な展開ですよね。それと、パーフェクトラインのロゴにも驚きました。ブタを使っていますよね。 そう、ブタですね。エステでブタのキャラを使っていいの?という感じですが、インパクトを出すためにあえて逆張りですね。視覚的にもボディメイクであることを分かるようにしつつ、でも女性からは「カワイイ」って言ってもらえるように“ベティちゃん”を意識したデザインにしてもらっています。実際、モデルさんとかもロゴと一緒に写真撮ってインスタにアップしてくださっているので、受け入れてもらえたかなと思っています。
――1店舗目は岐阜からスタートされているんですよね。
ええ、岐阜でエステティシャンをやっていて独立しようと思った時に、ほとんどの人が反対しているなかで知り合いの飲食店の社長ひとりだけが「やったらええやん」って背中を押してくれたんですよ。「内装業者さんとか紹介してあげるよ」と言ってくれて。1円もお金は出してくれなかったですけども(笑) 自分で借金して、そこからスタートしました。
――それからどんどん展開していく、と。
最初にお手伝いいただいた社長もそうですが、周りに飲食関係の社長達がたくさんいて、その人たちがとてもイケイケなんですよ。そんな環境に女は私一人だけなんですが、影響されて「わたしも頑張ります!ガンガン出店しますよ!」みたいなことを言っていました。ただ、毎年12月に中期経営計画を立てていて店舗数も右肩上がりで描いていたんですが、1年を振り返ってみると店舗数が全く増えてなかったんです。そこで「あれだけ威勢が良かったくせに、出店とか全然してないやん!」と。「やっぱり私は女やな」って反省しましたね。守りが強いというか、30代になったから保守的になっちゃったのかなあとか考え込みました。「でも日本一になりたいしなぁ」と素直に思って「よし、フランチャイズ展開しよう」と覚悟を決めました。
――フランチャイズ展開される際のフォーマットはどうされましたか?
フランチャイズ展開すると言いながら右も左も分からなかったのですが、岐阜の飲食関係の社長が「昔、フランチャイズ展開をするのにコンサルに入ってもらって全部パッケージを作った」というんです。で「それを元に作ってみる?」って言ってくださって。「1500万円も掛かったんやで~」って言われましたが「マジですか! 儲かったら返しますねー!」みたいなノリでノウハウを提供いただいて。それを見ながら少しずつ作っていった感じですね。
――その仕組みだけで上手くいったんでしょうか。
いえいえ、フランチャイズのパッケージだけでは足りません。フランチャイズ自体のことを知ってもらう必要がありました。その時も岐阜で可愛がってくださった女性経営者の方にビジネスモデルを話したら手伝ってくれることになり、それを機に紹介がスタートして広がっていった感じですね。私はひたすら全国をまわってプレゼンして、契約をとっていって、それでどんどん増えていきました。自分より上の先輩達にチャンスをたくさんもらったということですね。本当に感謝しています。
【第1回 異能ポイント】 | |
◎事業を特化させ、逆張りでインパクトを出す。 |