2023/01/19
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とことん観察マーケティング
第81回
高校生がマーケティング「4月の私にはこんな考え方はできなかった」
- マーケティング
- 野林 徳行氏 有限会社オフィスフレンジー 代表
野林徳行です。「KEIEISHA TERRACE」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいております。
多くの企業では、『カスタマーを知る』ことが大事と言いながら、足元の数字を優先してしまいがちです。足元はもちろん大事ですが、カスタマーを知ることで既存事業のPDCAは回りやすくなり、新規事業の立ち上がりは早くなります。または修正が小さくなります。
81回目のコラムです。私は、マーケティングの仕事の傍ら、高木学園英理女学院高等学校にて、毎年高校1年生にマーケティングの授業を行っています。もう11年目に突入しています。ちょうど2学期の授業が終了したので、彼女たちのアイデアや感想などをご紹介します。
高校生にマーケティングを教える
10年以上前に私の「とことん観察マーケティング」の講演に高木学園の理事長がいらっしゃいました。私の講演はマーケティングと言いながらもマーケティング用語は使わず、そしてすべて実例でわかりやすく伝えていきます。理事長は、おばあさまが創立した高木学園で、引き継いだお父様がなくなられて呼ばれて理事長になった高木暁子さんです。民間企業で活躍されていましたので、現在の教育が、企業で役に立つ育成ができているのかに疑問を持ち、その場でお声をかけてもらってからの11年になります。そういえば、アーティストを支援するサイト「Spinart(スピナート)」を運営する株式会社4DTの清水代表もその場にいましたね。
1学期は、「コンビニエンスストアのキャラクターマーケティングを考える」「ブックオフが次にやるべきリサイクルを考える」「面白い発想の自動販売機を考える」など身近な題材で、ディスカッションと発表を繰り返します。2学期なると、「スターバックスとドトールの違いを話し合い、それぞれの戦術を発表する」「ミニストップの特徴を生かして生き残り戦略を考える」「ステキすぎるゼクシィの付録を考える」「とらばーゆ(女性の転職)の心を揺らすキャッチコピーを考える」などちょっと難易度がアップします。常に大事にしているのは「どんな誰は、何をしてあげると、なぜ幸せになるのか」の追求です。ここがぶれない限り20分でも生徒たちは面白いアイデアをひねり出します。こちらの方が勉強になってしまいます。
『ゼクシィ』の人気付録、「花嫁すぎるゴム手袋」
リクルートが発行する結婚情報誌『ゼクシィ』。私もリクルート時代に携わっていましたし、現在も顧問をしている株式会社聡研プランニングは、ゼクシィの付録制作がメインビジネスの1つです。また、キャラクターマーケティングの株式会社レッグス時代にも、ゼクシィの付録「花嫁すぎるゴム手袋」をつくらせていただき、ギネス販売部数をたたき出したこともあります。とても大事にしているメディアです。
ゼクシィが大事にしている「花嫁1,000人委員会」では...
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