2022/12/01
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第137回
本当に「仕事ができる」部下を育てようと思ったら
- キャリア
- ビジネススキル
- 石川 明氏 株式会社インキュベータ 代表取締役
だから、私は次のように考えています。「人間心理」と「組織力学」に対する深い洞察力。そして、その洞察に基づいた的確な行動力。
この2つの能力を兼ね備え、人と組織を巧みに動かす「実行力」を身に付けたときに、はじめて「仕事ができる人」という評価を勝ち取ることができるのだ、と。
これはビジネススクールで学べるような「理論」を超えた、「ヒューマン・スキル」とでも言うべきもの。「深い洞察」に基づいた「ヒューマン・スキル」であることから、私はこれを「Deep Skill(ディープ・スキル)」と名付けました。
2000件の社内起業への伴走から学んだ組織人に不可欠なスキル
私は、2010年に独立をして以来、一貫して大手企業のボトムアップによる新規事業の創出を支援することを仕事にしてきました。それ以前のリクルート社の新規事業開発室、オールアバウト社創業からの10年に渡るマネジメント経験においても、数多の社内起案の現場を見てきました。
そして、何か新しいことを社内で起案し組織の中で通していこうとする過程で、どんな「ディープ・スキル」が必要なのかを考え続けてきました。
新規事業を立ち上げるうえでは、さまざまなあつれきを避けることができませんから、必然的に「人間心理」や「組織力学」に向き合わざるを得ませんでした。
そして、「ディープ・スキル」は新規事業に限らず全ての組織人、特にマネジメントに関わる人に不可欠なものであることに気付きました。
規定のシステムを回すのが仕事であるかのように見える人も、事業環境の変化に合わせて、組織やマネジメントを変化させていくためには、「ディープ・スキル」を身に付けた「仕事ができる人」になる必要があるのです。
リーダーは「ディープスキル」の組織内での伝承を
今、エグゼクティブリーダーの立場の人は、皆さんすべからく自身独自のディープスキルを駆使して組織の中で成果を出してきた人ばかりでしょう。この本で取り上げた21個の「ディープ・スキル」のうち、幾つかは自身で思い当たるはずです。そんなあなたが部下の仕事の仕方に何か物足らなさを感じるとしたら、それは「ディープ・スキル」に欠けているからかもしれません。
ですが、こうした組織や人を動かすための術は、あえて人に語ることはなかったのではないでしょうか。そういう話にまで踏み込んで部下と会話をすることは、意外と少ないものです。
本当に「仕事ができる部下」を育てようと「ディープ・スキル」を身に付けてもらうには、身近な人からの口伝が一番の方法です。この本をキッカケに、部下の皆さんと改めて「仕事とは」と話してみてはいかがでしょうか。
この本「Deep Skill」がその一助になればうれしいです。 他の記事も読む。60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >
■書籍情報
Deep Skill ディープ・スキル 人と組織を巧みに動かす 深くてさりげない「21の技術」 単行本
著者:石川 明
出版社:ダイヤモンド社
価格:1,760円(税込)
※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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