2022/11/25
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イマ、ココ、注目社長!
第292回
月間400万人利用の「調整さん」。プロダクト愛から起業へ。【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 北野 智大氏 ミクステンド株式会社 代表取締役
2006年にリクルートからリリースされた日程調整ツール「調整さん」。順調にユーザー数を伸ばしてきましたが、2018年に事業売却を検討されることに。そこで譲渡先候補として手を挙げ、ミクステンドを創業したのが北野智大さん。学生時代から4年間、「調整さん」の事業に携わっていた北野さんはリクルートから事業を譲り受け、月間400万人が利用するまでに成長させました。
さらに、ビジネス版日程調整ツール「TimeRex」をリリースし、10万人の会員を獲得。
日程調整ツールのデファクトスタンダードを目指す北野さんに、これまでの歩みを振り返ってもらいました。
(聞き手/井上和幸)
ホームページ制作で稼いでいた大学時代
――北野さんは、学生時代から調整さんの運用に携わってきたそうですね。まずは、どういう学生生活を送ってきたのか教えてください。
北野 わかりました。そもそも僕は中学3年生の夏休みに初めてパソコンで読書感想文を書いた時に、間違えたところを修正したり、文章を書き直したりすることがすごく便利なことを発見してから、パソコンに興味を持ちました。
もともとモノづくりが好きだったので、それからパソコンで絵を描いたりするようになり、高校生の時にはウェブサイトを作っていました。そのうち、パソコンで「動き」を表現したくなって、プログラミングも独学で学びました。関西学院大学に進学した時には、ひとりでお店のホームページの制作を請け負っていましたね。
――確かに手書きとパソコンでは便利さが格段に違いますね! 大学時代はどうやってホームページ制作の仕事を得ていたんですか?
北野 最初は知り合いのお店のホームページをタダで作らせてもらって、それからその人の知り合い、知り合いの知り合い……と広がっていきました。学生だったので1カ月に1本程度のペースでしたが、1件につき数十万円もらっていたので、学生にしては稼いでいたと思います。
――その生活から、どういう経緯で「調整さん」に関わることになったのですか?
北野 大学は理工学部で、暗号化の技術など専門性の高い分野で技術をどう探究するかという勉強が多かったんです。でも僕は、技術を社会にどう活かすかに興味があったので、方向性の違いに悩んで休学しました。
それで1年ほど、学校に行かず、ホームページの仕事を請け負いながらひとりでアプリを作って公開していたのですが、あまり使ってもらえなくて。その時に、「デザインやマーケティングを含めて、チームで開発することを学ばない...
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