TOP 戦略人事の仕掛人 「100人100通りの働き方」実現の過程で見えた課題と利点【後編】

2022/08/30

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戦略人事の仕掛人

第18回

「100人100通りの働き方」実現の過程で見えた課題と利点【後編】

  • 組織

 

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グループウェア「サイボウズ Office」や業務改善クラウドサービス「kintone」などのソフトウェア開発を手掛けるサイボウズは、「100人100通りの働き方」を掲げる柔軟な人事制度を導入しています。そのきっかけは、離職率28%と社員の4人に1人以上が退職する危機的状況に直面したから。

その後、さまざまな制度を新設し、試行錯誤を重ね、グローバルで従業員数が1000名を超える規模になった現在、離職率5%台と日本企業の平均を大きく下回っています。「100人100通りの働き方」を実現する過程でどのような課題とメリットがあったのか。新卒でサイボウズに入社し、現在人事部長を務める青野誠氏に話を聞きました。

 

(前編はこちら

(聞き手/川内 イオ)

ボトムアップで決まる新制度

川内  サイボウズには、他部門に一時的に兼務・異動ができる「大人の体験入部」、最長6年の間、サイボウズへの復帰が確約された状態で退社できる「育自分休暇」など珍しい制度もあります。こういった制度は、どういう議論を経て制度化されるんでしょうか?

 

青野 データやロジックに基づいて、というよりは、面白そうだからやってみようっていう感じで決まることが結構ありますね。自分たちが目指す大きな方向性に向かっているのであれば、ちょっとやってみようと。それでうまくいかなければやめればいいと、まずはトライアルから始めるところは割とあります。

 

川内 それは意外です。トップダウンで新たな制度が決まることもあるのでしょうか?

 

青野 社長からの指示でなにかを導入しようということは、ほとんどありません。どちらかと言うと、社員の働き方やニーズがどんどん多様になっていて、そのときの会社の制度に収まりきらなくなってきて、これでは対応できないからアップデートするということが多いですね。

 

川内 ボトムアップ型なんですね。例えばどういうニーズがあり、どんな制度ができたのでしょうか?

 

青野 個人的に驚いたのは、営業メンバーからの声がきっかけで制度化されたカフェ代ですね。営業メンバーが外回りするときに、商談の合間にカフェに入って、作業をするのですが、毎日、数件のカフェに行くと結構な金額になるのでサポートしてほしいという内容でした。それがきっかけで、カフェ代を経費として申請できるカフェ代支給制度ができました。

 

川内 よくカフェを利用する営業メンバーからしたら、嬉しい制度ですね。この制度はすんなり決まったんですか?

 

青野 はい。わたしたちは、制度を作...

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プロフィール

  • 青野 誠氏

    青野 誠氏

    サイボウズ株式会社 人事部 部長

    2006年早稲田大学理工学部情報学科卒業後、サイボウズ株式会社に新卒で入社。 営業やマーケティング、新規事業の立ち上げなどに携わった後に人事へ。 現在は人事本部のマネジメントや採用・育成・制度企画などを推進。 NPO法人やベンチャー企業の人事部門でも複業を経験するなど、 自ら多様な働き方を実践している。

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  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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