TOP 経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える 転職したての幹部人材がリモートワーク下でマネジメントに失敗しない方法

2022/01/21

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経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える

第22回

転職したての幹部人材がリモートワーク下でマネジメントに失敗しない方法

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  • 株式会社 経営者JP エンタープライズサービス統括本部 兼 プラットフォーム事業本部 佐藤 志保

 

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こんにちは、プラットフォーム事業本部の佐藤志保です。プラットフォーム事業本部では日々、経営者・経営幹部の方にインタビューを行っています。ここのところ経営者の皆様からも経営幹部の方々からもコロナ下における部下のマネジメントについて悩んでいるという声を多く聞きます。

 

コロナ以降、仕事のあり方は大きく変わってきました。
身近なところではオンライン商談・面接や、リモートワークの普及などがあげられますが、その中でも影響が大きいのはリモートワークにおける部下のマネジメントではないでしょうか。

 

特によく話題に上がるのは、以前のように出社して顔を合わせていたときには気づけていた小さな兆候をリモートワーク体制に移行後では見落としてしまい、気づいたときには手遅れだったという内容です。
それは、本人の体調が優れないことであったり、業務の進捗に関わる事であったり、詳細はそれぞれ話し手の人により異なりますが、顔を突き合わせるコミュニケーションから、画面越し・電話やメールの文面越しのコミュニケーションにコミュニケーションの主体が移り変わったことによる微妙な意思疎通の祖語が積み重なり、やがては大きなアクシデントにつながったということでした。
リモートワークは業務の効率化というプラスの側面と組織の全体的な把握、掌握を困難にするというマイナスの側面もあわせ持っています。

 

以上を踏まえて、今回は、アフターコロナの時代に求められる幹部人材像について、主にリモートワーク下においてのマネジメント方法について取り上げます。

 

アフターコロナの時代に求められるリモートワーク下におけるマネジメント

ではまず、従来の形式からリモートワークへの移行によって仕事の進め方がどう変わるかの部分に焦点を当ててみましょう。

 

上記の通り、多数の管理職の方がリモートワークへの移行によって部下(個人)の働きを十分にモニターできなくなった(結果として部門等、組織的な業務の進捗も適正に把握できなくなった)と感じているそうです。
失敗を避ける為には、リモートワーク下において、従来よりも部下のどのような側面が見えなくなっているのか知っておく必要があります。

 

そこで、デュポンという巨大化学メーカーを例に挙げて、見えない部分への対応についてお話しします。この会社は部下の業務への取り組みがモニターしづらいという問題に対して成果主義を導入することで解決しようとしました。

 

彼らは「従業員の行う業務がモニターできない場合に、従業員の業務に対する労力の配分管理もされなければ、従業員は割のよい(要すれば楽に成果があがる)仕事を優先させる。」という考えから成果主義を導入しました。
つまり「従業員がなにをやっているのか把握することが難しいから、管理する側が把握しよう・管理しようとするのではなく、結果の部分にのみフォーカスして評価してやれば管理の手間は省けて従業員もそれぞれが独自に結果を求めて働くだろう。」ということです。

 

しかし、景気がいいあいだは上記のような成果主義がうまくいったかのように見えましたが、景気が悪くなった途端にこの成果主義も同じく立ち行かなくなりました。

 

この結果は2020年ノーベル経済学賞学者ミルグロムが指摘する以下の成果主義が引き起こすデメリットの影響によるものと考えられます。

 

① 確実にできることしか計画しない。
② 計画達成の妨げとなる仕事は、やるべきことでもやらない。
③ 計画通りに成果が上がっているようにごまかす。
④ 計画達成のために手段を選ばぬ行動をとる。
⑤ 計画を上回る成果をあげれば、甘い計画と批判されることや、以後の目標が簡単に達成できない水準に上げられるので成果を抑える。

 

また、リクルートワークス研究所の茂木氏と東京大学の川口大司教授は、テレワーク従事者の特徴を、職務の性質と人的資源管理論の視点から考察しテレワーク(リモートワーク)従事者が、成果主義のもとで労働している可能性が非常に高いと発表しました。(Kawaguchi and Motegi, 2020)

 

デュポンの例では彼ら自身が意図的に成果主義を選択しましたが、管理者や従業員の意図を外れて、自然と成果主義になったという点は非常に示唆的に感じます。

 

このような例から鑑みるに、どれだけ労力がかかろうとも、難しかろうとも、管理者自身が真面目に部下の働きをモニターすることは健全な組織運営を行う上では避けられないと考えます。

見逃しやすい不調のサイン、部下の状況を知るすべ

従前の職場においてのコミュニケーションでは目の前に相手がいるのですから、相手の表情、服装の状態や声色など、様々な要素を絡めての対話になるはずです。
目の下に隈ができていたり、肌荒れが酷い、声にハリがないなどはなにかしら不調のサインと捉えられるでしょうし、逆に、ハツラツとしているなら好調なのかもしれません。言語外においてもたくさんの相手の状態を察する要素があるのです。

 

ところが、リモートでのコミュニケーションにおいてはそれが口語(音声的)であるか、文語(文章的)であるかはさておき、圧倒的に言語的コミュニケーションを中心としたものになります。
「やってみせる」型のコミュニケーションは容易ではありません。大切なのはどのような問いを発しどのように回答を理解し、またどのように話しかけるか、要は「ことば」なのです。「言葉力」が極端に人材流動性の高くかつITを通じた意思疎通が中心になる時代に管理職にとって大切なスキルになることは間違いありません。

 

部下の状況を把握するにしても、その報告を受けるにしても自分の意図を正しく伝え、相手の意図を正しく汲み取るということは容易ではありません。ましてや、どういう檄を飛ばせば人に響くのか、奮起させられるのかなどのスキルを身に着けることは、一朝一夕には難しいものです。

 

常日頃から本を読む習慣を身につけ、語彙力を養うこと、口語(直接の音声的な)での会話はもちろんのこと、文語(メールやSMSなど文章的な)での会話においても意識的に自分の意図が正しく伝えられているか、相手の意図が汲み取れているか確認する習慣づけをしてみてはいかがでしょうか。

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プロフィール

  • 佐藤 志保

    株式会社 経営者JP エンタープライズサービス統括本部 兼 プラットフォーム事業本部

    大阪生まれ。立命館大学経営学部卒。2020年に経営者JPに参画する。 13歳の時に経営者だった父が他界。ダンボールが机になるといった本物のゼロスタートを経験したことで“食いっぱぐれないようなスキルを絶対に身につける“という思いから大学では経営学を専攻。 卒業後は日中英のトリリンガルであることを活かして通訳・経営コンサルの事業で起業。投資再生事業グループ会長との縁から海外営業代行の法人の設立や企業の再生業務に従事。 これまでの仕事を通じて「企業は人なり、その中でもリーダー・経営者なり」を痛感。優秀なリーダー人材が埋もれることなく、その才能・実力・意欲を遺憾なく発揮できる場所に辿り着けるようにしたいという強い思いから、2020年10月、経営者JPに参画し、プラットフォーム事業本部にて編集部に所属。 特技はカラオケで歌える曲が6言語あること。趣味は水泳で、最近はトライアスロンにハマっている。 入社後はプラットフォーム事業本部にて編集部に所属。取材を始め、イベント企画・セミナー運営等を担当している。経営者を対象とした勉強会つながりで交友関係が広いことを強みとし、他では中々会えない面白い人材にお声がけさせていただくことでKEIEISHA TERRACEのコンテンツをにぎやかしている。