TOP 経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える 経営人材・幹部人材が、転職したあとに成功するための心構え

2021/12/29

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経営幹部・エグゼクティブのためのキャリア&転職を考える

第19回

経営人材・幹部人材が、転職したあとに成功するための心構え

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経営陣・幹部陣としてご入社される皆様は、経営者からの熱い期待を受けながら、会社として重要な課題・ミッションに向き合っていただくことになります。その期待に応えて入社後に期待以上の大活躍をされる方もいれば、あいにくと上手く成果に繋げることができず、場合によっては早期に新天地を探し始めるなど、望ましくない結果になってしまう方もいます。

 

この両者の差は、なんでしょう?スキルや専門性の違いと思われる方が多いかと思いますが、実はそれ以前に、小さな心構えの違いである場合がほとんどです。
ここでは経営幹部としてご入社後、スムーズに成功いただくために、入社時点からその後において持っていただきたい4つの心構えをご紹介いたします。

まずは人間関係・周囲の信任の構築から始める

当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、まずは人間関係・周囲の信任の構築から始めることが、中長期的に成果を出していく上で非常に大切なことです。
皆さんのミッションはプレイヤーとしてではなく、部下・他部署・外部関係者を巻き込む必要のあるものがほとんどのため、周囲との関係構築が非常に大切なのですが、経営層からの期待通り「改革するのだ」という意気込みが強く、転職してまだ間もない時期から大きな変化を生み出そうとすると、周囲からの反発を買う可能性があります。
もちろん意気込みや、時に力強く物事を進めることは重要ですが、それと並行して「新参者である」という意識も持ち、社内を理解するための情報収集や、ささいなコミュニケーションによる関係構築を怠らないでください。

 

また信頼を得る手段として、まずは目に見える小さな成果を積み重ねることも大切です。
転職経験のある方の中には、入社した直後に「思ったより、職場が歓迎ムードでは無い」と感じたことがある方もいるのではないでしょうか。経営層からの期待が大きい役職やミッションであればなおのこと、周囲からは力量・人柄・距離感を推し量る目があることや、場合によっては上の席が外部からの人によって埋められたとネガティブに認識されることがあり得ます。
多くの社員にとっては、選考中は皆さんとの関わりはなく、急な話として入社を受け入れることになるので想像に難くないことなのですが、既存の方々へのリスペクトを忘れず、コミュニケーションを取ることを大切にしていただければと思います。小さな改善を以て、周囲の方々にとっても「〇〇さんが来てくれて良い変化が起きている」と認識されれば、いざ大きなプロジェクトを進める際にも、皆さんにとって非常に大きな力となってくれるはずです。

入社前のイメージと、大小様々なギャップが発生することを覚悟する

新天地を決められた方からその後の近況を伺った際、「ギャップが何も無く思った通りの環境だった」という声はほとんど聞きません。「思っていたより未整備で、やらなくてはならないことの多い状況だった」「外部との連携の中で想定していなかった問題点が見つかった」「メンバーの育成に手が届いておらず改善の余地が多かった」など、その内容は様々です。
こうしたギャップを許容できず、早期退職などの結果になってしまうことは会社・個人にとって不幸なことですが、実際には多く存在するケースです。そもそも、基本的にギャップの無い転職など無い、ということを認識いただければと思います(経営活動における重篤な問題を隠されていたということであれば別ですが)。

 

新天地で成功されている方々は共通して、ギャップが発生することはご自身の中に織り込み済みで、それらも含めて改善していくことに楽しさを見出す姿勢があるように感じています。
そもそも順行モードで全て上手くいっている企業であれば、皆さんのような歴戦の方々をわざわざ外部から招聘する必要はありません。既存の組織で対応できなかった課題を解決し経営にインパクトを生むことは、困難なことである一方で、そのまま皆さんへの評価と信頼に繋がるとポジティブに考え、粘り強く向き合っていただければ幸いです。

これまでの常識を棄却し、新しく学んでいく必要があることを覚悟する

これまでの勤務先での常識・共通認識・ルールは、新天地では全く通用しない可能性が高いです。(これは同じ事業領域でのご転職も同様です)。
過去の経験に縛られ、「前職ではこの進め方が当たり前だった」「このシステムが無いと話にならない」といった考えを脱却できず、パフォーマンスに影響が出る方・周囲から柔軟性が無いと思われてしまう方が、時折いらっしゃいます。
会社が変われば、企業文化や体質だけでなく、細かい仕事の進め方や社内の仕組みなど、多くのことがこれまでとは異なります。その会社のこれまでの歴史を尊重しつつ、ご自身にとっては新しいこととして学び続ける姿勢を持っていただくことが大切です。またそれと同時に、皆さんの他社での知見も強みとして活かし、過去を尊重しながらも良いものを取り入れていくという姿勢で改善を行ってください。

「一生ここで働く」という気で挑む

「なんて時代遅れなことを…」と思われるかもしれません。「最後は精神論か…」という声も聞こえてきそうです。ただ、私は終身雇用の仕組みに賛同しているわけではなく、結果として転職されることを否定しているわけでもありません。それくらいの気構えを持てる会社を選び、熱量を持って稼働いただきたいということです。

 

私が以前お会いした方に、「私は一生ここで働くという気持ちでそれぞれの転職をしてきましたし、そう思える場にしか行きません」とおっしゃった方がいました。結果として数回ご転職をされている方でしたが、在職中は「自分が人生を捧げる場なのだから、会社としてより良くなるために」という視点で会社の成長に本気で取り組み、経営層とも本気でぶつかりながら成果を挙げてきた方でした。
個人や部署ではなく、会社としてより良くなるために、という視点は経営層・幹部層としてお招きする上では必ず持っていただきたいものです。また「ダメなら次の転職をすれば良いから」という熱量は、必ず周囲や経営者に伝わります。スポーツなど様々な領域に共通することですが、モチベーションの高さはパフォーマンスの質に大きく影響します。本気で取り組み、成果を最大化していただけるよう、野心を持って臨んでいただければと思います。

 

新天地への入社はゴールではなく、スタートです。何を始めるにも、初動の心構えはその後の動きや成果に大いに影響すると私は考えています。
新しい環境を存分に楽しみ、その先のキャリアの成功を実現いただくため、入社前にご自身のお気持ちを整理いただき、良いスタートを切っていただけることを願っています。
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