2021/06/24
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戦略HRBPから見た、人・組織・事業・経営の現在&これから
第15回
眠れる森のリーダー:チームを率いるリーダーのウェルビーングと経営との密接な関係
- 組織
- キャリア
- 35CoCreation合同会社 CEO 桜庭 理奈氏
話しかけづらい上司・・・
ピリピリしたムードが漂っている上司・・・
同じ部屋にいるだけでチームメンバーを緊張させる上司・・・
機嫌が悪そうなのが見て取れる上司・・・
口角が下がり、眉間に皺が寄っている上司・・・
本音を言ったら一喝されそうな上司・・・
常に余裕がなさそうな上司・・・
みなさん、こんな上司になっていませんか。
チームを率いるわたしたちだって、ひとりの人間です。もちろん喜怒哀楽もありますし、体調がすぐれない、気分が乗らないとき、いやな出来事を重い気持ちで引きずることもあります。
今日は、リーダーが人間らしくいてはいけない、というお話ではありません。
リーダーのウェルビーング(健全な心身の状態)が、自分自身が下す経営判断や、自分自身のチームに実害を及ぼす影響について触れながら、いかにリーダー自らのウェルビーングが健全な経営を遂行する上で大切であるかということと、VUCAな時代だからこそ、リーダーの皆さんには今一度ご自身のウェルビーングについて、真剣に取り組んでいただきたいというお話です。
50%近くのリーダーが、十分な休息が取れていないという事実
先の上司像は、わたくしの周りでもよく耳にするものの一部です。
実はわたくしにも、同じように思い当たるストーリーがあります。それは、あるプロジェクトで自分自身が旗振りを行って率いていくものでしたが、過去に前例がなく、その当時のわたくしには誰にアドバイスを求めていいのか分からず、とはいえ20名のプロジェクトチームメンバーを同じ船に乗せて、目的を達成しなければならないというプレッシャーを感じていました。
プロジェクトは3か月に渡りましたが、その期間寝ても覚めてもプロジェクトでうまくいっていないことについて頭を悩ませ、そればかり考えていました。
よって、寝ても夜中に30分ごとに覚醒するため、眠りも浅く、結局眠りに再度つくことができず、睡眠時間は平均で3~4時間程度でした。30代半ばであった自分は、「徹夜くらいしたって大丈夫。慣れているし。あと少しの辛抱」と、あまり気に留めないようにして、カフェインをいつもより多く摂取し日中もよく働きました。
度重なる睡眠不足で、自分の顔はくすんで見え、体調を崩しやすくなり、周りからも疲れが目に見えてわかっていたようです。
皆さんも思い当たるようなことはありませんか。
例として、2017年にCenter for Creative Leadershipが調査した結果によると、一般的にぐっすり眠る目安として推奨された睡眠時間は6時間ですが、世...
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