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2021/06/11

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第53回

海外が憧れる日本の伝統文化、我々は胸を張って語れるのか

  • 経営
  • マネジメント
  • 有限会社オフィスフレンジー 代表 野林 徳行氏

野林徳行です。「KEIEISHA TERRACE」にてマーケティングコラムの連載をさせていただいております。

 

53回目のコラムです。『カスタマーを知る』ことの大切さを毎回書かせていただいています。多くの企業では、『カスタマーを知る』ことが大事と言いながら、足元の数字を優先しています。足元はもちろん大事ですが、カスタマーを知ることで既存事業のPDCAは回りやすくなり、新規事業の立ち上がりは早くなります。または修正の大きさが小さくなります。今回は、能楽師の大倉庄之助さんにお会いして改めて日本の伝統・文化への日本人の関心について考えましたのでそれを書いてみます。

 

能楽師:大倉庄之助さん

いただいたお名刺には、「重要無形文化財総合指定保持者 能楽師 囃子方大倉流大鼓」 とありました。

ご本人のホームページの紹介は次のようになっています。

 

「大倉流小鼓十三世祖父・故大倉長右衛門、大倉流小鼓十五世父・故大倉長十郎より小鼓の稽古を受け9歳で能舞台 独鼓『難波』初舞台。その後、大倉流大鼓長老、故吉田太一郎師より大鼓の稽古を受け17歳で舞囃子『小袖曽我』大鼓に転向する。葛野流大鼓 故瀬尾乃武師に師事。伝統的な能舞台での活動と1979年より継続する能楽普及活動の一環として鼓や能楽囃子を中心とする体験授業を各教育機関に於いて展開。また大鼓独奏様式を確立し、国内外の様々なアーティストとの共演や各国の式典において大鼓独奏を披露する等、 国際文化交流の場で活躍。CM、ドキュメンタリー番組などメディアにも多数出演し日本の文化を世界に向け発信し続けている。」

 

大倉さんとランチをさせていただいたのですが、学校での体験授業での子供たちの反応のことや、格闘技イベントPRIDEのオープニングアクトをされた話などとても気さくに、一方で伝統芸能の伝播に対する思いを込めて話してくださいました。また、大型バイクで世界各国のツーリングをするなど幅広い活動と多くの方々との交流を楽しそうに教えてくださいました。

 

その会話の中で出てきたテーマの1つが、能楽のような日本の伝統芸能への関心が高い企業は海外のトップブランドが多いということでした。次々にコラボ企画が提案されるそうです。中東などに呼ばれて行くと、国王級の待遇が待っているとのことです。いかにリスペクトされているのかがわかります。

 

話をしながら、自分も含めて「あれ?日本人ってどこで能楽に触れるのだろうか」と思いはじめます。私は中学の時に古典の授業の一環で見学に行ったという経験が一度あります。おそらく記憶では時間になって会場に入って、見て帰ったという感じ…。能楽師の方からの説明などはなかった気がします。大倉さんは、鼓などを学校に持ち込んで、実際に体験してもらうことなどを...

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プロフィール

  • 野林 徳行氏

    有限会社オフィスフレンジー 代表

    1964年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1987年リクルート入社。経営企画、事業戦略、商品企画、プロモーションプランニングなどを担当し、カスタマーを知ることに徹底的にこだわった行動で各事業の業績向上に寄与。ブックオフコーポレーションへの出向を経て、2003年ローソン入社。執行役員としてマーケティング、エンタテイメント、商品開発を担当し、数々のヒット企画を生み出した。2010年ローソンエンターメディア代表取締役社長に就任。2012年レッグス入社。CMOとしてキャラクターを活用した販売促進を強化。2016年FiNC CMO就任。人工知能を活用したヘルスケアアプリのマーケティングを推進。現在はブックオフコーポレーション取締役、高木学園マーケティング講師、NewsTV取締役など。著書「とことん観察マーケティング」をベースにした講演・研修を実施中。