2020/10/29
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戦略HRBPから見た、人・組織・事業・経営の現在&これから
第5回
「人事部」「HR」という呼び名はもう古い?!:組織にヒューマニティを取り戻す新たなミッションと挑戦
- 組織
- 桜庭 理奈氏 35CoCreation合同会社 CEO
みなさんはHRBPという仕事がこの世の中に存在することを、ご存じでしょうか。人事やHRの分野に関わっている方であれば、昨今この4つのアルファベットを目にすることも少なくないでしょう。HRBPとは、人事の領域における一つの職務であり、Human Resources Business Partner (ヒューマン・リソース・ビジネス・パートナー)を意味します。
HRBPについては、ミシガン大学ビジネススクール教授であるデイビッド・ウルリッチが、1997年に発表したMBAの人材戦略の中で、人事部門が企業経営に提供する価値は戦略人事であるという視点から、人事部の役割を「HRビジネスパートナー(戦略パートナー)」「変革エージェント(変革を促す者)」「管理のエキスパート(専門家)」「従業員のチャンピオン(代弁者)」の四つに整理したことが、始まりだとされています。
2019年から急速にHRBPに関するパネルディスカッションや、コンファレンス、研修での講演の依頼を自分自身受けることが多くなったことを体感しています。2018年以前は、HRBPという職務自体を設ける企業自体がまだ限られており、ポジション(職務)を設けてみたものの、経営者も担当者もHRBPという職務が何を期待されて存在するものなのか、うまく言語化できない中で、トレンドに乗って新設したケースも見受けられました。講演でのQ&Aの内容も変わりました。
以前は「HRBPとはいったい何なのか」「置く意義はあるのか」という、“そもそも論”という質問が多かったのですが、最近では「HRBPのミッションをより明確にするにはどうしたらよいか」「他のHR部門との連携や施策の繋ぎこみは具体的にどうしたらよいか」「HRBPに育てるのに適したペルソナ(人材像)はあるか。どのような具体的なステップで育てたらよいか」、という、“いよいよ論”に立ったご質問が増えました。そういった個人的な体感からも、世の中の人事部というチーム、機能に求められる視座や見方、期待の風向きが変わってきているのは確かにあります。
初めてHRBPという職務を耳にした方も、聞いたある方も、実際にHRBPとして活躍されている方も、初心に戻って「HRBPとは」を改めて定義し、今後経営者の皆さんがHRBPを新設する上での参考になれば、という思いを綴ります。そして最後には、時代の波と共に次の進化系である人事部や人事を預かる者の使命・ミッションと挑戦について、皆さんへ語り掛けます。
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