2020/03/31
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社長を目指す方程式
第36回
カリスマの言葉が「記憶に残り続ける」のには6つの法則があった
- キャリア
- ビジネススキル
- マネジメント
- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
相手の心を鷲掴みにする=「記憶に粘る」〜一度聞いたら決して忘れないメッセージ、人を行動に駆り立てるような言葉について、ハース兄弟(スタンフォード大学経営学部教授のチップ・ハース、デューク大学社会企業アドバンスメント・センター シニア・フェローのダン・ハース)がその著書『アイデアの力』で、以下の6つの法則を明らかにしました。
(1)単純明快である(Simple)
(2)意外性がある(Unexpected)
(3)具体的である(Concrete)
(4)信頼性がある(Credible)
(5)感情に訴える(Emotional)
(6)物語性(Story)
「単純明快で、意外性があり、具体的で、信頼性があって、感情に訴える物語(Simple Unexpected Concrete Credible Emotional Story)」、頭文字をつなげてSUCCESs(サクセス)の法則とハース兄弟は名付けました。
先ほどの都市伝説は、『アイデアの力』で掴みに紹介されているものに私が少し手を加えた文章です。分かりやすいストーリー、意外性の高い結末、具体的な描写、感情の揺さぶりが含まれていることが分かると思います。
古くは「口裂け女」から「ノストラダムスの大予言」、東日本大震災での「人工地震兵器説」、そして現在の新型コロナ渦での「インフォデミック」まで、こうした影響力を持つメッセージはデマに多くこの法則が含まれているものなので要注意でもあります。
「マスクとトイレットペーパーは中国で同じ材料で作られており、品不足になる」といったデマで買い占めに走る人たち(実際はトイレットペーパーの98%は国内生産で在庫も豊富にある)。「コロナウイルスは熱に弱いので26~27度のお湯を飲めば予防になると武漢のコロナウイルス研究者が発表」というデマ(体温以下の温度で死滅するウイルスが流行するはずがない)。具体的で信頼性がある風な虚言だからこそ私たちは騙されてしまいます。気を付けたいですね。