2020/04/28
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社長を目指す方程式
第38回
ジョブズらを口説き落としたディズニー前CEOの「10の法則」
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- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
今回の社長を目指す法則・方程式: ロバート・アイガー「真のリーダーシップに必要な10の原則」 |
こんにちは、経営者JPの井上です。日本と世界を一変させた新型コロナ禍。その影響下、上司の皆さんも各社各様の対応に追われる日々を過ごして来られ、いま、強い閉塞感をお感じの方が多いのではないかと思います。今回は、これを吹き飛ばして、大きな仕掛け、世界にインパクトをもたらすようなビジネスに目を向けてみたいと思います。
それに格好の経営者がいます。それは、大の映画好きでもある私がこの10年、もっとも注目してきた数名の経営者の一人、この2月下旬にウォルト・ディズニー社の社長を退任したロバート(ボブ)・アイガー氏(2021年12月末までの期限付きで取締役会長に就任)です。
◆164億ドル(約1兆8000億円)の投資で360億ドル(約4兆円)のリターン!
2005年のCEO就任後、15年間でこれだけディズニーを変えたアイガー氏の功績は凄まじいものがあります。
2006年にピクサー・アニメーション・スタジオを買収し、2009年にマーベル・コミックを、2012年にはルーカスフィルムを買収。さらに2018年に20世紀フォックス(21世紀フォックス)まで買収してしまいました。
その買収額は、ピクサー74億ドル(約8000億円)、マーベル40億ドル(約4300億円)、ルーカスフィルムも40億ドル前後。ここまでで164億ドルというとてつもない額を投じていますが、そこから現在までに稼いだ興行収入は360億ドル(約4兆円)!巨額投資を補って余りある、十分過ぎるリターンを得ているのです。
ディズニーは2019年に興行収入10億ドル(約1100億円)超えのヒット作を4作出しています。「ライオンキング」「アベンジャーズ/エンドゲーム」「アナと雪の女王2」「スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」の4本です。
「ライオンキング」と「アナと雪の女王2」はディズニー作品だと、皆さん当然のごとく認識するでしょう。しかし、「アベンジャーズ」と「スターウォーズ」も今やディズニー映画なのです。更には、これからは20世紀フォックス(21世紀フォックス)作品も入ってくるので(買収金額は710億ドル(約8兆円)!)、メジャー作品の占有率は圧倒的なものとなるでしょう。データによるとディズニー映画は米国映画市場の1/3を占めるようになっており、世界全体での年間興行収入は100億ドル(約1兆円)とのことです。
奇しくもこの新型コロナ感染拡大で世界的に興行延期・中止を余儀なくされている映画業界の苦境はディズニー社をも襲っています。これに乗じてアップルが買収するのではないかという噂も出回っていますが、さてどうなるでしょう。