TOP 社長を目指す方程式 高エンゲージメント組織を生み出すカギ 部下に聞きたい8つの質問

2020/01/21

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社長を目指す方程式

第31回

高エンゲージメント組織を生み出すカギ 部下に聞きたい8つの質問

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • マネジメント

さて、その「エンゲージメントを測定する8つの文章」の設問は次の通りです。

1)「私は、会社が掲げる使命に対して心から貢献したいと考えている。」
2)「仕事上で、自分に期待されていることを明確に理解している。」
3)「所属チームのメンバーと価値観が共通している。」
4)「仕事で毎日、強みを発揮するチャンスがある。」」
5)「チームメイトが私をサポートしてくれる。」
6)「優れた仕事をすれば、認められることがわかっている。」
7)「会社の未来は明るいと強く信じている。」
8)「仕事では常に、成長が求められている。」

当連載をご愛読くださっている読者の皆さんには、以前ご紹介した「ギャラップ
Q12(「キュー・トゥエルブ」、従業員エンゲージメント計測の12の質問)」(第7回「あなたや部下は「熱意あふれる社員」か?明らかになる12の質問」)と似ている、重なる質問が多いことに気づかれたかもしれません。それもそのはず、バッキンガム氏らは、1980〜90年代にギャラップ社が行ってきた関連調査を引き継ぎ、アップデートして今回の調査を策定しているからです。

◆チームの状況がエンゲージメントを左右する

バッキンガム氏ら調査チームは今回の結果を分析し、何が従業員のエンゲージメントを高めるのかということについてアプローチを試みています。
その結果、この調査結果から見えた興味深いことは、従業員のエンゲージメントは一般的によく言われる「企業文化」というような大局的なことと必ずしも相関が強い訳ではなかったのです。更にはその一方で、個人の資質に帰結されるものでもなかったと。では一体、何が従業員のエンゲージメントを左右していたのでしょう?

それは、「チームの力」だったのです。
これは必ずしも組織図に明記されている組織だけに留まらず、見えない組織〜各人が属している複数のプロジェクトワークなども含まれるとのこと。オフィシャル、アンオフィシャルを問わず、編成されている「チームの力」に最も左右されるということがわかったと。そう言われてみれば、私たちが日々、最も多くコミュニケートし、情報を交換し、ムードなどを含めて影響を受けているのは、今、稼働しているチームメンバーたちですよね。

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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