2020/01/07
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社長を目指す方程式
第30回
目標達成できる人・できない人の違い ゴールを追うだけでは二流?
- キャリア
- ビジネススキル
- マネジメント
- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
◆達成し続ける人は「学習目標」を持つ人
さて、ドゥエック氏他の調査によれば、仕事のできる人、物事を達成する人は「業績目標」ではなく「学習目標」を持つ人だということが証明されているとのこと!
どうでしょう?一般的に、特に仕事においては業績目標を設けており(会社に設定されており)、そこに目を向けている人がほとんどではないでしょうか。そして学習目標を持っていない人は、案外多いと思います。いかがでしょう?
私見ですが、成功する人、トップになるような人は、<「業績目標」だけでなく、「学習目標」も合わせて持っている人>だと認識しています。貪欲な業績達成欲がない人が成果を出すとはやはり思えず、ただそれだけの人は<燃え尽き症候群>になっていることも私も少なからず目の当たりにしてきました。
中長期的に成長し続ける人は、多く学ぶ人であることもとても腑に落ちます。年齢を重ねても好奇心が尽きず、絶えず新しいチャレンジや、自分なりのライフワーク学習テーマをお持ちなのが成功されている経営者の方々の共通項ですが、「達成目標理論」はそれを裏付けていると感じます。
さて、では、あなたの「2020年の計」はどちらでしょう?もし「業績目標」的なものだけであれば、「学習目標」的な2020年のテーマを決めてみましょう。
◆「作業興奮」で目標達成への初動を切る!
2020年の目標を設定した——しかし、目標を掲げても、それを実行、継続しなければ達成し得ませんよね。
できる人、社長になる人は目標に向けた行動、取り組みを習慣化することがうまい人です。
習慣化には、前回ご紹介した「自己効力感」による「流動性知能」の繰り返し→「結晶性知能」の蓄積がありますが、その初動を切るのがクレペリンが発見したという「作業興奮」です。
この「作業興奮」については、以前の記事(2018/3/4「中だるみ撃退!いつでもどこでも「やる気スイッチ」、5つの方法」)でもご紹介しましたが、いやだ、面倒臭いと思っていても、まず始めてみると、あら不思議、仕事も勉強も掃除なども、気がつくと作業に乗っている自分に気づくというものです。
この作業興奮は生理学的にもメカニズムが証明されており、「手足や頭を使うと、脳の側坐核が刺激される」→「側坐核は刺激されるとドーパミンを分泌する」→「ドーパミンが分泌されることでやる気が湧いてくる」→「やる気が出るので作業がはかどるようになる」というサイクルが回るとのこと。
側坐核とは報酬、快感、嗜癖、恐怖などに重要な役割を果たすと考えられている部位。ドーパミンはご存知の方も多いでしょう、中枢神経系に存在する神経伝達物質で運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習などに関わる<やる気物質>と例えられるものです。