2019/11/12
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社長を目指す方程式
第26回
社長の必須能力…かつてリクルートも導入した「MBTI」で培う人間鑑定力
- キャリア
- ビジネススキル
- マネジメント
- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
◆リクルート社員たちはMBTI型でお互いのタイプを認識し、コミュニケーションしていた
40歳くらいより上の世代で新卒採用などでリクルートの適性検査SPIを受検したことのある方、人事などで取り扱っていた方はご記憶かと思いますが、このMBTIは開発された早々の時期にリクルートのテスト開発チームが知りライセンス供与を受け、日本版にローカライズされSPIに組み込まれて「TI型」と呼ばれ使われていました。(残念ながら2000年代半ばでライセンス供与終了に伴い、SPIからTI型は外されました。)
当時のリクルートの新入社員紹介冊子などにはこのTI型も記載されていて、お互い「お前、何型?」「俺、ESFP」とか会話されていたのです。ちなみに私はリクルート入社時はENTPで、先日、当社メンバーたちでWEBでの検査をしたところENTJでした。
こういう因子を全社員で共有し、お互いのキャラクター理解の一助としていたのも、リクルート創業者である故・江副浩正さんの考える「組織活性化集団」の作り方の方策であったのだと思います。
相手の個性を大掴みにでも知ることで、その人がどのような思考傾向、行動傾向にありそうかということも察しつつコミュニケーションする。そこに、対応上手、指導上手なリーダーが生まれるという側面は確かにありますね。
「感覚:S」タイプなら現実的・具体的な会話が伝わりやすいし、「直観:N」タイプなら色々とイマジネーションを湧き起こすようなディスカッションが盛り上がる。
「思考:T」タイプは何かの揉め事があったときに「どうした?何があったんだ?原因は?」とある面冷徹に対応しますが、「感情:F」タイプは「なに?大丈夫?それは酷いな!」とエモーショナルな対応をします。「判断的態度:J」タイプはきっちりルールを決めて動かないとイライラしますが、「知覚的態度:P」タイプはざっくばらん(雑)な動きをしますので、細々と言われるとストレスですが、そんなPを見るとJはものすごくストレスを感じます(笑)。
上司部下関係であっても、取引先やパートナーとの関係においても、タイプが異なれば考え方や動き方、感じ方が異なります。こうしたパーソナリティ因子タイプを把握しておくことは、どのような人にはどう接すれば良いかをわかりやすく判断し行動できるようにしてくれる有用なツールなので、専門家のように仔細に突っ込んで学ばずとも、因子の種類とタイプを頭に入れておくと非常に便利ですよ。