2019/11/11
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成功する経営者は皆、多読家。「TERRACEの本棚」
第75回
経団連の中西会長が大胆提言 「社長の定義」はこう変わる!
- 組織
- 経営
- 衣川 理花氏 文藝春秋 翻訳編集部 統括次長
成功する経営者は皆、多読家。
「TERRACEの本棚」では、成功している経営者が注目している、読んでいる書籍をご紹介してまいります。
今回は、『社長の条件』。
本書の編集を手掛けられた、文藝春秋の衣川理花氏に見どころを伺いました。
グローバル競争、デジタル革命、地政学的変化など、激動の時代を迎えている現在。
日本企業が生き残るためには、「社長の定義」を変えなければならないーー
そんな危機意識のもと、経団連の中西会長にご登場いただき、生まれたのが本書です。
お相手が冨山和彦さんだったからこそ、実現できた企画でした。
では、これからの時代の社長の条件とは、どのようなものでしょうか。
本書より、○(マル)と×(バツ)の例をいくつか挙げてみます。
○ 絶体絶命の状況になってもウツにならず、逆にパワーが湧いてしまい、何日も寝ないで働き解決する
○ ある事業が最高益を迎えた時点で、今がピークと認識し、別の選択肢を考えられる
○ デジタルトランスフォメーションはIT業界のみならず、自らの業界にも波及すると自覚している
○ (できれば30代のうちから)新興国でタフアサイメントを体験し、サバイブしてきた
× 論功行賞型、サラリーマンすごろくの”あがり“として社長になった
× 肝心なときに自分で決められず、周囲に「どう思う?」と尋ねてしまう
× 「私は、入社以来コンプレッサー一筋です」というようなスペシャリスト
× 自動車業界でいうところの“北米本社勤務”のような、お膳立てされたエリート街道を歩んできた
対談当日、中西会長は原稿を読みあげることをせず
なんとご自分の言葉で、すべてを語られました(さすが、モノ言う会長さんでいらっしゃいます)。
編集者としてはとてもうれしいけれども、ここまで踏み込んでお話なさって
大丈夫だろうか、と逆にハラハラしてしまうほど。
でも、今度こそ本当に改革をせねば、日本企業はもたず、国全体が沈没してしまう、という
強い使命感が伝わってきました。
やがて対談の内容は、コーポレートガバナンス改革へと移ります。
ムラ社会的な空気によるガバナンスを変え、機能体としての経営を行うには、どうすべきか。
ボードの最も重要な役割は、「社長を選ぶこと」であり、特に社外取締役会をもっと活用したほうがよい。
社長候補を早い段階から探し、鍛え、育て、競わせ、最適者を選びぬく方法とは。
これからの社長は、国籍、文化、人種、性別を問わず、最もふさわしい人がなるべき、とも明言。
社長が変われば、必然的に人事や採用、ひいては教育も変わることになります。
各所へ震撼を走らせつつも、未来への希望にあふれた一冊です。
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