2019/11/06
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成功する経営者は皆、多読家。「TERRACEの本棚」
第74回
累計400万部!ビジネス書の金字塔を読み逃していませんか?
- 組織
- 経営
- 吉田 淳氏 扶桑社 第三編集局書籍第一編集部 副編集長
成功する経営者は皆、多読家。
「TERRACEの本棚」では、成功している経営者が注目している、読んでいる書籍をご紹介してまいります。
今回は、『チーズはどこへ消えた?』。
版元の扶桑社で海外翻訳書籍を担当されている、吉田淳氏に見どころを伺いました。
全世界で2800万部、日本でも累計400万部を突破した、大ベストセラー『チーズはどこへ消えた?』。
2000年の発売以来、ずっととぎれることなく売れ続けてきた、ビジネス書の金字塔ともいえる一書です。
発売当初から好調な出だしを見せていましたが、ソニーの出井伸之社長が、社員向けのスピーチで取り上げてくださってから、売れ行きに一気に火がついたと、当時を知る担当者はいいます。
今年2月には、19年ぶりの続編にして、著者スペンサー・ジョンソンの遺作ともなる『迷路の外には何がある?』が発売。続編の発売に合わせて書店さまに受注をつのったところ、さらに10万部を増刷するに至りました。
読者層は、ビジネスパーソンが中心ですが、学生、若い女性層、主婦層、高齢者まで、幅広い層に波及しています。
その意味では、究極のビジネス書であると同時に、究極のセルフヘルプ本であるといってもよいでしょう。
なぜ、『チーズはどこへ消えた?』という書物が、これだけ広範なひとびとに支持されるのでしょうか?
寓話じたてのわかりやすい物語だから?
100頁に満たない、短くてすぐ読めるお話だから?
「変化に即応する」というテーマが響くから?
それは、正直、編集者にもわかりません。
でも、経営者の皆さんも含めて、つねに「変化」を強いられることに疲弊し、途方にくれているかたがたは、きっと多いだろうと思います。
そんなひとびとにとって、この小さな本は、きわめて示唆的な提案と、無限の可能性を与えてくれるアイディアの宝庫だといえます。
本書の登場人物は2匹と2人。
ネズミのスニッフとスカリー、小人のヘムとホーです。
2匹と2人は「迷路」の中に住み、「チーズ」を探します。
「チーズ」とは、私たちが人生で求めるもの、つまり仕事、家族、財産、健康、精神的な安定、等々の象徴です。
「迷路」とは、チーズを追い求める場所、つまり会社、地域社会、家庭、等々の象徴です。
幸せに暮らす2匹と2人。ところが、唐突に「迷路」内からチーズが見つからなくなります。
大事件の発生にさいして、4つのキャラクターは四者四様の対応を見せます。
鼻のきくスニッフ。素早く動けるスカリー。変化に逆らうヘム。変化の波に乗ろうとするホー。
本書において展開される寓話は、まさに現実世界の縮図であり、4つのキャラクターは、「変化」に直面した際のわれわれのロールモデル。本書は、チーズと小人とネズミたちに仮託した、ある種のケーススタディーなのです。(実際、欧米で本書は、企...
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