2019/07/23
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社長を目指す方程式
第18回
あなたや同僚はどのタイプ?商談や職場で“難しい相手”に対応する方法
- キャリア
- ビジネススキル
- マネジメント
- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
◆商談で、組織マネジメントで、4つの性格にどう対応するか
赤(D:主導型)タイプについて
相手は相当にせっかちであり、タスク重視で物事を効率的に進めたがります。あなたが赤タイプに相対するならば、「結論から」「具体的に」「アクションを早く」することです。まどろっこしいことや腰が重いのを赤タイプは嫌います。また達成意欲が非常に高いのも特徴。赤タイプが上司なら、曖昧な態度やそこそこのレベルの目標設定は嫌われますので、気をつけましょう…。おそらくは創業社長やプロ型社長はかなりの確率で赤タイプです。
部下が赤タイプであったときに、お薦めの褒め方としては「成果や具体的な工夫について褒める」ことです。また、叱らなければならないときには「質問によって、自分自身で内省した上で反省を促す」スタイルが望ましいでしょう。赤タイプは自分自身で「できた・できなかった」を判断することができる人です。単純に褒めたり、叱るときに追い打ちをかけたりするのではなく、質問しながら自分自身で改善点を見つけるように促すことが重要です。
黄(i:感化型)タイプについて
相手は楽しく明るい雰囲気を好みます。赤タイプとは真逆で、雑談やアイスブレークトークは必須ですね。おおつかみに「まずやってみよう」という黄色タイプですが、各論に弱く、詳細に無頓着、時間にルーズなのが黄タイプの癖でもあります。彼らはメモすることなく「はいはい」と答え、概ね右から左に抜けていきます。予定や手順の抜け漏れ防止に、黄タイプ相手は事前もプロジェクト中も事後も細かくチェック、リマインドをかけることを忘れずに。
部下が黄タイプであったときに、お薦めの褒め方としては「人前で褒めてあげる」ことです。この上なく本人を動機付けできるでしょう。また、叱らなければならないときには「できた部分と期待も交えた上で叱る」スタイルが望ましいでしょう。詰めてしまうと折れてしまいがちです…。黄タイプの人は社会的なつながりを重視する傾向があります。従って、褒めるときは人前で、叱るときは個別と使い分けていくことが重要です。
緑(S:安定型)タイプについて
常に大切なのが「安心感」。緑タイプは、ちょっとしたことでも何か大変なことが起きてしまうのではないかと心配しがちです。不安定なものや新しいものとは一切関わりたくありませんし、大きな賭けなど絶対に出たくないのです。相手の言うことを聞く力や素直に指示に従う力は4タイプの中で最も優れていますから、緑タイプにはしっかりと計画を立てて渡してあげること。また、それをやった結果がこのようになるのだということをセットで渡して見通しをつけてあげることで不安解消した上で物事に取り組んでもらうようにしましょう。
部下が緑タイプであったときに、お薦めの褒め方としては「データや事実ベースで褒める」ことです。抽象的、感覚的に褒められても緑は根拠が見えないと「ほんと?」と疑念を持つばかりです。また、叱らなければならないときにも「データや事実ベースで伝える」スタイルが望ましいでしょう。緑タイプには、サポートしてくれたことに対しての感謝の言葉(ありがとう、助かった、キミがいてよかった)を掛け、叱るときはできた部分と次への期待を伝えることが重要です。
青(C:慎重型)タイプについて
何事においても準備をきっちりと行う人です。仕事においては自分で事前に資料などに準備をし、詳細を分析し、当日の会議などでその件についていかようにでも話し合えるようにしておくでしょう。必要と思えば代案も複数用意します。そんな青タイプにとって、他の人がこうしたことをしないことが不思議でなりません。「ちゃんとやってください」というのが彼らの主張です。ですから当方もしっかり準備をして臨みましょう。それが社会の、組織のルールです…。ただ、全てに杓子定規というのも現実の組織においてはキツいですしゆとりもありませんから、青タイプには同時に、折に触れて「人には感情がある」「誰しもが常にパーフェクトではない、それで良いのだ」ということも諭してあげましょう。青タイプに人間味を備えさせるのも上司の仕事です。
部下が青タイプであったときに、お薦めの褒め方としては「ありがとう」などお礼を伝えるのが効果的です。また、叱らなければならないときには「できた部分と期待を添える」ことが望ましいでしょう。青タイプの人には、褒めるときも叱るときもデータや事実ベースで伝えることが重要です。