2019/05/23
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異能の経営者 ~ I know. ~
第21回
【広津崇亮氏】皆とは逆だったとしても、 正しいと思う方向へ進む。(Vol.1)
- キャリア
- 経営
- 経営者インタビュー
- 広津 崇亮氏 株式会社HIROTSUバイオサイエンス 代表取締役 CEO 博士(理学)
――それで、東京大学に入られてからはどういった勉強をされるんでしょうか。
最初は理科二類に入ったのですが、3年生から進路の振り分けがあって、その時にはDNAとか遺伝とかそういったところに興味があって。
――生物学科というと生物の生態観察をしていそうなイメージがありますけども。
当時のバイオテクノロジーは、どんどんミクロに入っていっていましたね。
――それで結局、何を選ばれたのでしょう。
いくつかの選択肢の中から酵母の研究室に行って、酵母のテーマをやるつもりでいたんですけれども……
――けれども……?
当時の私には興味が持てなかったんですよ(笑) 単細胞で動かないし。それに酵母の研究そのものは全盛期でした。
――え、全盛期ならよいのでは?
いえ、全盛期のテーマって逆に言うとだいぶ調べられてしまっていて、メジャーなところでは既にノーベル賞をとった人もいるくらいでしたから、あまり興味が湧かなかったんです。
――なるほど、すでに手あかが付いていたと。
そんな時、現在は東大教授ですが当時の指導教官だった飯野雄一先生がニューヨークから帰ってこられて、「線虫という生物がこれから流行ると言われているぞ」という話をされたんです。
――「線虫が流行るぞ」と。
ええ、それで酵母の研究室にいながらにして、1人だけ線虫を飼い始めました。