2019/03/19
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社長を目指す方程式
第9回
運を操りキャリアを切り拓く 5つの心構えと5つのレッスン
- キャリア
- ビジネススキル
- マネジメント
- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
◆変化する環境の中で、どうキャリアを考えれば良いのか?
クランボルツ教授は元々キャリア論の研究をしてきた人で、その土台を「社会的学習理論」に置いています。
折しも米国では1980年代に産業再編の嵐が吹き荒れ(日米貿易摩擦の頃ですね)、その中でビジネスパーソンはキャリアについて次の3つのように考え動く必要があることを、当時クランボルツは指摘しました。
(1)すでにある特性に基づいた意思決定ではなく、自分の能力や興味を広げていく必要がある
(2)職業が安定したものであると思い込むのではなく、変化し続ける仕事に対して準備をしなければならない
(3)行動を起こすように勇気付けられる必要がある
そしてクランボルツは、キャリアカウンセリングの目標を次のようにまとめています。
「現在クライアント(=キャリア相談者、転職相談者)が有している興味・価値・能力にマッチした職業を見つけることではなく、変化し続ける仕事環境において満足のいく人生をクライアントが作り出していけるようにスキル・興味・信念・価値・職業習慣、個人特性に関する学習を促進させること」
私自身も日々、幹部や経営職の方々へのキャリアアドバイスを行う立場を担っていますが、まさに今、日本で働く私たちにとっても、全く同様のことが必要だと実感しています。これまで培った経験やスキル、現時点での興味関心だけにマッチした職務を見て転職先を決めることは、本人にも採用企業側にも、「その後」という意味において必ずしも望ましいものではないのです。
◆キャリアの意思決定など、するな?!
「私たちは、人々がキャリアについての意思決定をするための支援に多くの時間を費やしてきました。しかし、みなさんには、今後一切キャリアの意思決定をしないで欲しいのです」
なんと!クランボルツはその著書『その幸運は偶然ではないんです!』(ダイヤモンド社)で、このように述べています。それはなぜでしょう?