TOP イマ、ココ、注目社長! 「ゲームプレイ」と「ゲーム観戦」をさらに上位のエンターテイメントへ昇華させる!【前編】

2019/01/30

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イマ、ココ、注目社長!

第7回

「ゲームプレイ」と「ゲーム観戦」をさらに上位のエンターテイメントへ昇華させる!【前編】

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  • 組織
  • 経営
  • 経営者インタビュー
  • 谷田 優也氏 ウェルプレイド・ライゼスト株式会社 代表取締役社長(CEO)
  • 髙尾 恭平氏 ウェルプレイド・ライゼスト株式会社 代表取締役社長(COO)

「今やらないとダメだ」(高尾) 

「失敗してもいい。できるかぎりのことを全部やってみよう」(谷田)

 

――今じゃないとダメというのは?

 

谷田 2015年の時点では、「eSPORTS」という言葉は、まだ「海外で流行っているらしいよ」といったくらいの普及度でした。ですが、世間が盛り上がっているであろう2020年までを考えると、その間に誰かがやるかもしれない。そのときに、僕ら二人はその誰かが獲った席、つまり、その人が創った会社に入るべきなのか? それとも、今始めて上手くいくかどうかはわからないけれど、自分たちがその席に座る側に回るのか? そう考えたときに、誰かが獲った席にお世話になる姿が全く想像できなかった。

 

それで、「失敗してもいい。できるかぎりのことを全部やってみよう」ということで、何のビジネスモデルも事業モデルも持たない中で、eSPORTS専業の会社を日本で初めて創ったんです。

 

 

――谷田さんの奥様が、事業に高尾さんを巻き込むことを心配されたと聞いていますが。

 

谷田 うちの奥さんに言ったら、「そんな優秀な人財を自分の人生に巻き込んで、責任を取るつもりはあるの?」と。

 

高尾 もちろん僕は自分の意志で決めているんですが、誤解が生まれているみたいだったので、うちの役員全員で谷田の家に行って話し合いをしました。

 

谷田 当時はeSPORTSといっても仕事なんて何もなかったですから、本当に心配されました。そのとき長男が生まれて2ヵ月目だったこともあって、奥さん的には気が気じゃなかったと思いますね。

 

高尾 僕も結婚して2ヵ月後ぐらいでした(笑)。

 

谷田 特に高尾の場合は、奥さんがそれまで勤めていた会社を辞めて、韓国の新居に移った直後の決断でしたからね。
 

――すごいですね。でも、お二人がゲーマーだったというところから、この領域をやっていらっしゃる宿命みたいなものがあるように思います。会社を創って、最初はどんなことをされたんですか?

 

谷田 「eSPORTSの仕事をください」と言っても、企業はeSPORTSの仕事など用意していません。イベントを企画して、3000円のチケットで300人入る箱を満杯にしたところで、90万円くらいにしかならないわけで、それではビジネスとして成立しない。最初のころは日銭を稼ぐために、ゲームのプロデュースなどで自分の給料は稼いでいました。

 

高尾 平日のうち4日くらいは出稼ぎをし、金土日にeSPORTSの仕事をする、みたいな感じでしたね。

 

 最初に名刺代わりになる仕事ができたのが、カプコンさんとのお仕事でした。『ストリートファイター5』というのが現行の最新のゲームなんですが、そのゲームが2016年の2月に発売だった。そこで、カプコンさんに対して、「発売の2ヵ月前、2015年の12月に、まだ発売していないけれど、日本で1位を決める大会、いわば国内最速最強トーナメントみたいなものを開催したら面白くないですか?」という企画を持って行ったんです。そうしたら「面白いからすぐにやろう」と。また、『ニコニコ生放送』さんも興味を持ってくれて、公式生放送として放送してくれることになりました。

 

大会には海外からも参加者が現れて、「リリース前のゲームで世界一を決める」みたいな感じで盛り上がり、当時ニコニコ生放送で一位を取ることができました。視聴者も10万視聴とか、コメントも11万コメントとか付いて、それが、《ヘンなイベントを作ることができる会社》としての一発目の仕事でしたね。

 

プロフィール

  • 谷田 優也氏

    谷田 優也氏

    ウェルプレイド・ライゼスト株式会社 代表取締役社長(CEO)

    ソーシャルゲームのプロデューサーを経て、渋谷のゲームセンターで『ストリートファイターIV』をやりこみ、“ザンギエフ使いのアカホシ”として名が知られているときに出会った髙尾恭平と共に、2015年11月にウェルプレイドを設立。「ゲームが上手い人、上手くなろうと頑張っている人が世間で高く評価される時代にしたい」という思いから、日本初のesports専門会社としてesportsに関する企画、プロデュース、運営、コンサルティング、配信等を行う。

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  • 髙尾 恭平氏

    髙尾 恭平氏

    ウェルプレイド・ライゼスト株式会社 代表取締役社長(COO)

    モバイルゲームのディレクターとして開発・運営に関わったのち、CEOとして海外に赴任。『ストリートファイターIV』のガイル使いとして渋谷ゲームセンターに通っていた頃に、3ヶ月間ほど対戦を重ねた谷田優也と出会う。「オリンピックの種目に、ゲームセンターのゲームが選ばれる世界を作りたい」という夢に共感した谷田と2015年11月にウェルプレイドを設立。選手としてもEVOに出場したり観戦をするなど、選手、観客、開発全ての視点からesportsに向き合う。

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