TOP イマ、ココ、注目社長! 『よなよなエール』でノーベル平和賞を獲りたい!【後編】

2018/12/26

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第2回

『よなよなエール』でノーベル平和賞を獲りたい!【後編】

  • イマ、ココ、注目社長!
  • 経営
  • リーダーシップ
  • 株式会社ヤッホーブルーイング 代表取締役社長 井手直行氏

 

クラフトビールの異色のヒット商品『よなよなエール』、『水曜日のネコ』などで知られる株式会社ヤッホーブルーイング。
井手直行社長は、インターネット通販とマーケティングで会社を立て直しただけではなく、組織改革にも注力。バラバラだった社内のチーム化を進め、今では「働きやすい会社、日本のティール組織の代表例」と評される企業に育てています。
社員同士をニックネームで呼び合い(井手社長の呼び名は「てんちょ」(店長の意味)、表彰式などの公式の場には社長が着ぐるみ(仮装)姿で出席するなど、創業者の星野佳路氏(星野リゾート代表取締役)とは違う個性で成功を収めている井手社長に、後編では経営者として大切にしていることや幹部人材に求めること、今後の展望などを伺いました。

 

■経営者として大事なことは、みんなが幸せになる「三方よし」の設計をしていくこと

――井手社長が経営者として大事にしていることは何でしょう?

 

井手 いっぱいありすぎるんですが、それを言われてパッと思うのは、「みんなが幸せになる《軸》をちゃんと選んであげること」です。社員もそうですし、ファンの方も、取引先も、みんな幸せになるためにはどういうことをやったらいいのかをちゃんと設計すること。
社員が喜んでくれたらモチベーションが上がるし、離職はなくなるから、業績が上がります。ファンの方が喜ぶことをすれば、きっとより買ってくれるから業績は良くなります。また、取引先に対して無理難題をお願いせずに、お互いがウィンウィンの関係を築けば、きっといろいろ助けてくれるし、僕らに対しても適正な対応をしてくれるはずです。近江商人の言う「三方よし」ですね。欲張りなんですが、いいところを全部やっていく、ということを考えて設計するというのは、経営者としてとても大事だと思います。

 

■「自然が大好き、そこで触れ合う人が大好きなんだ」が、フリーター時代に全国を放浪して得た答えだった

――井手さんは、どんな青年でしたか。ヤッホーブルーイングには、どんな経緯で入社したのですか?

 

井手 学生時代にハマっていたことはパチンコです(笑)。職を転々としている間にも、パチンコをして生計を立てていました。結構適当でしたね。フリーターをしている数ヵ月の間は旅をしていて、バイクで日本一周したり、北海道をグルグル回って野宿をしたりしていました。そこで気づいたのが、僕は自然が大好きだということ。そして、そういうところで触れ合う人が大好きなんだと。この二つが放浪をしているときに得た答えでした。

 

その後、自然があるところに住もうと思ってゆかりもない軽井沢に引っ越し、地元の広告代理店で営業などをしていましたが、「この仕事は世のためにはなっているけれど、喜んでくれる人は目に見えないな」と思うようになりました。「人に喜んでもらうことと人間が好きだ」というところに戻って、星野が地元で始めようとしていたビール造りはいいなあ、と思ったんです。僕は今も森の中に住んでいまして、周りには誰も住んでいない。休みになると、うちのちびっこの男の子三人が、一日中外で木登りしたり剣をつくったりして遊んでいます。

 

 

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プロフィール

  • 井手直行氏

    株式会社ヤッホーブルーイング 代表取締役社長

    福岡県出身。大手電気機器メーカーのエンジニアや、広告代理店などを経て、97年ヤッホーブルーイング創業時に営業担当として入社。2004年楽天市場担当としてネット業務を推進。看板ビール『よなよなエール』を武器に業績をⅤ字回復させた。全国200社以上あるクラフトビールメーカーの中でシェアトップ。08年より現職。著書に、『ぷしゅ よなよなエールがお世話になります』(東洋経済新報社)