2018/12/04
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経営に効くマーケティング
第2回
バリュープロポジションを考え抜けば、全て「4P」で展開できる。(2/5)
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「経営者を語る」――今回は、マーケティング戦略アドバイザーの永井孝尚氏(ウォンツアンドバリュー 株式会社代表)をゲストにお迎えします。
今回は、「エグゼクティブがおさえておくべきマーケティングの課題」や、「企業の価格戦略」などをテーマに、経営者JP代表・井上和幸と語り合っていただきました。全5回でお届けします。
井上 2002年当時、コールセンター市場のお客様である大企業から「自社のコールセンターを統合して、どんな対応でもできるようにしたい」という要望があった。永井さんは、そのときどんな戦略を立てたのですか?
永井 実は、IBMは、当時それができていました。「One IBM。お客様から見て一つのIBMになる」という戦略のもとで、CRM改革を進め、千葉県幕張に統合コールセンターを作っていました。そこに年間100件くらいのお客様がセンターを実際に訪問してきて、「まさにこれは、うちがやりたいことなんだよ」とおっしゃっていたんです。IBMはCRMベンダーの1社だったんですが、当時唯一の統合コールセンターを持っている会社であり、「コールセンターを統合したい」というお客様がそこに集まっていたのです。
井上 そのときの日本IBMの「バリュープロポジション」がわかったわけですね。
永井 われわれにとってのターゲットは、特に大企業のコールセンター長でした。彼らは、消費者から大量の問い合わせを受けていて、それを統合したいと思っている。そのニーズに対して、IBMだけが、CRMベンダーの中で唯一統合コールセンターを持ち、実際の事例もノウハウも持っている。しかも、お客様はこれを「欲しい」と言っている。そこで、その経験をお客様にソリューションとしてご提供する。しかも製品としてご提供するだけではなくて、色々なノウハウを含めてご提供するーー。就任後3ヶ月間、色々な人たちと話し合って、「これがIBMのバリュープロポジションだ」ということが分かりました。
一方で、バリュープロポジションは単なるコンセプトに過ぎません。具体的な4P(製品、プロモーション、価格、チャネル)に落とし込むことも必要です。戦略で大切なのは、この実践の部分です。そこで、コンサルティング事業部と協業してIBMのノウハウを提供できるようにしたり、コールセンター長を集めたコミュニティを作って彼らの悩みに応えられるようにしたりしました。これらの施策の結果、日本IBMはCRMソリューション市場で断トツ1位になりました。『ガートナー』のイメージ調査で...
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