2017/09/26
1/2ページ
経営者のための、これからの時代の「アナロジー思考」的読み解き方
第2回
企業の組織構造を「川上と川下」という視点から覗き込んでみると、見えてくるものがある。(2/5)
- スペシャル対談
- ビジネススキル
- 経営
プロフェッショナルな専門家の記事が読める!60秒で簡単・メンバー登録はこちら >
「経営者を語る」――今回はビジネスコンサルタントの細谷功氏(株式会社クニエコンサルティングフェロー)をゲストにお迎えします。
細谷さんは、企業・教育関連コンサルティングの傍ら、ベストセラー『地頭力を鍛える』(東洋経済新報社)をはじめとする一連の著作を通して、物事の本質や構造を明らかにする発信を続けられています。
今回の対談では、「DoubRing(ダブリング)」「川上と川下の視点」「AI時代との向き合い方」などをキーワードに、弊社代表・井上和幸と語り合っていただきます。全5回でお届けします。
井上 前回は、「川上と川下」「上流と下流」という視点から会社や国家を見ていくと、現在いる場所によって必要な人材も違うし、大事な価値観も違うことが見えてくる――という話でしたね。
細谷 会社でも「老化した」「大企業病になった」という言い方をよくしますが、大企業病というのも果たして病なのかな、と思うところがあります。それって、ある意味、健全な成長をした結果というだけのことであって、すべてのものは、「良い、悪い」というよりは「コインの両面」ではないか。そういうふうに見ていくと、例えば、いわゆる「部分最適」というか、会社全体のことを考える人が増えたというのは、あくまでいろんな部分に分けたり、事業部に分けたりということでマネジメントをやりやすくすることの単なる裏返しでしかない。だから、極めて健全なことが起こっているだけで、「すべてが良い方向にはいきませんよね」というだけの話だと思います。
老化を止められないというのは、人間の成長が止められないのと一緒で、歳をとるに従っていろんな知恵が付いてきたという反面、一つの知恵が付くということは次の知恵にいきにくくなる。そういう意味において、必ず弊害も出てきますよね?『会社の老化は止められない』(前掲)では、そういうメッセージを出そうと思ったんです。
井上 個人的な感想ですが、『アリさんとキリギリス――持たない・非計画・従わない時代』(さくら舎)など最近の一連の著作を読ませていただくと、「イノベーターであるキリギリスを虐げるんじゃない!」という、細谷さんの何か憤りに近いメッセージを感じるんです(笑)。もちろん、アリの価値観や役割の大切さを認められたうえでのことなのですが。
細谷 そうですね。「川下」にイノベーターを連れて来て、「この人は使えない」という話をするパターンが極めて多いんですよね。喩えるなら、川上の急流に棲む岩魚を、半分海水が混じっているような、流れの穏やかな河口付近に連れて来て、「さあ泳げ」と言っても、力を発揮できるわけがない。それって、やっていることが全然違いませんか?と思うんです。
井上 タイプが違えば、棲む世界も違うということを明確にしたい、と?
こちらはプラチナメンバー限定記事です
プラチナメンバー登録(年間11,000円or月間1,100円)を
していただくと続きをお読みいただけます。
※登録後30日間無料体験実施中!