2020/07/21
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強い会社に変わる「組織」のあり方と戦略を明らかにする!
第5回
各人が最大限の力を出せるステージを探す時代へ。 (Vol.5)
- スペシャル対談
- 組織
- 経営者インタビュー
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井上 松岡さんが先ほどおっしゃった、経営陣と社員、そして、会社と顧客との間に感謝し合う関係をつくれている会社が生き残る、また、価値を出せる人はもっと良い会社、つまり、「社外規範と社内規範に共鳴できる会社」へ移っていく――という話は、私も同感です。
その一方で、ここのところ人材市場としての景気の過熱感が、事の本質を見させることなく転職の意思決定をさせる――といった状況をつくり出している感があって、何やら複雑な気持ちだったんです。
松岡 それは、若干、条件面がオリエンテッドの時代だったからですね。超売り手市場であったがゆえですが、しかし、もう1回本質に戻ると思いますよ。「社外規範と社内規範に共鳴する会社」に入らないと、みんなが感謝し合う状況は生まれませんから。
井上 当社では、経営者や幹部社員の方の転職相談もさせていただいていますが、個々に事情はあるにせよ、転職の理由について、「なにか、これからの我が社の先行きが不安なので……」と言われてしまうと、個人的には、いかがなものかとも思ってしまうんですよ。
それは、感謝とは違うかもしれませんが、「こういうときだから、わが社もがんばらなければ……」となるような関係にはなっていなかったということですからね。
松岡 そういうことです。こういうときに関係性がバレてしまう。本当の経営者というのは、「社外規範を真剣に実現するために自分はこのミッションをやっている」という覚悟があり、それに社員が共鳴・共感をしているものです。それがなかったら経営者をやってはいけないと思いますね。
井上 以前、吉野家の社長を長くやっていらっしゃった安部修仁さんからお話を聴く機会がありました。たまたま懇親会で談笑になった際にうかがった話なのですが、吉野家も1回倒産した後、10年後に再上場して急成長していきましたよね。再建時に安部さんと共に残留して苦労した幹部の方々は、結果として10年ほどで驚くような資産形成も手に入れることになった。これを知った、倒産したときに出て行った人の中には、「俺も残っていればよかった」と言っている人がいたらしい。安部さんからすれば、それを聞いて、「君たちはそういう局面で逃げて行った人たちじゃないか」と(苦笑)。確かにそうだよなと思いましたね。
松岡 吉野家の安部さんなどは、まさに、「(あの)牛丼を広めて残したい」という死ぬほどの強烈な思いがあった。それこそが社外規範ですからね。
井上 そうですよね。安部さんと一緒に会社を守った人が、その後がんばって、あれだけの吉野家をつくったのだと思いますし。
松岡 その話と同じ覚悟で働けないとダメなんですよ、経営者たる者は。
井上 若手の方もそうですが、特にマネジメントの方はそうやって考えてほしいですね。
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