2020/07/07
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強い会社に変わる「組織」のあり方と戦略を明らかにする!
第3回
「会議の質」と「会社の強み」との深い関係。 (Vol.3)
- スペシャル対談
- 経営者インタビュー
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井上 先ほど、松岡さんが指摘された、変化の時代に欠かせない「ゼロベース思考」ですが、これはどうやったら身に付きますか。
松岡 それは「習慣」ですよ。だから、経営陣が考えなければいけないのは、人を育てるときの習慣なんです。
井上 ああ、よくわかります。
松岡 例えば、ソニーの場合は、一番の若手に会議で「どうしたらいいと思うか?」を発言させていました。今もやっているかどうかわかりませんが、リクルートの『就職ジャーナル』で密に取材していたときの企業文化はそうでしたね。なぜそうしていたかというと、若手は、会議に入れても聞いているだけでは当事者意識をなくすからです。しかし、最初に当てられるということが周知の事実となっていれば、本人たちもそのテーマについて考えて来る。
また、これは本質ではないけれど、もう1つ良いことがあるのは、若手は、前提・既存の考え方に染められていないので、時々面白いことを言う。それがゼロベースだったりするわけです。
井上 なるほど。
松岡 我々もリクルートにいるときに、「おまえはなぜそう思うのか?」とかよく言われていましたよね。あれもゼロベースで考える習慣です。
ソフトバンクにしても、事実に基づいて組み上げることを求められます。これも企業文化です。
だから、事実が、もしくは前提が変わったのなら、「すべきことはこれまでとは違うだろう?」となる。3社に共通しているとも言えるのは、こうしたゼロベース思考がすごく強いことですね。
井上 ファーストリテイリングもそうなのですか。
松岡 そうです。柳井さんの口ぐせは、「全くダメですね。全部やり直してください」でしたから(笑)。たまにテレビでそういう場面が映ったりしますが、これは日常の彼のキーワードです。ゼロベースですよ。既存の延長で提案されたものは、基本的に全て「NO」でしたから。
井上 今、松岡さんが話してくださった3社の共通項は、ものすごく価値のある話だと思います。
お話を聞いていて、世間の人は、ともすると3社の経営者に対してマスコミ経由で別の側面から特徴を捉えて、勘違いしていることも多いのではないかという気がしました。「柳井さんはこんな人、孫さんはこんな人だ」と、経営者のコミュニケーションのスタイルみたいなところばかりを見てしまっている。
今の3社にほとんど共通しているのは、「ちゃんとゼロベースでそのときに正しいことを選択している」ということでしたが、そんな風に見ていない人も多いような気がしました。
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