2019/04/22
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私が経営者になった日
第16回
【藤波克之氏】会社の成長に責任を持つのが社長である。(1/5)
- キャリア
- 経営
- 経営者インタビュー
- 藤波 克之氏 FSX株式会社 代表取締役社長 兼 最高経営責任者
【vol.1】会社の成長に責任を持つのが社長である。
【vol.2】ガテン系の家業よりも、大企業を選びたかった。
【vol.3】先の見えない怖さの中、家業を継ぐ。
【vol.4】家業への誇りと自分ごととしての仕事。
【vol.5】二代目だからこそ、新しい挑戦をし続ける。
●情熱はあっても、200万円の責任に躊躇。
藤波氏が、家業である藤波タオルサービスに入社して今年で15年。2016年にはブランディングの一環として、FSX株式会社と社名変更を果たした。「工場を造った2013年が最終的に経営者としての自分を自覚した時でしたが、振り返ると、いろいろな段階を経てきたように思います。」
と藤波氏は言う。
「入社して、先頭に立って飛び込み提案営業を始めたのは14、15年ぐらい前です。自社で初めて香りの商品を開発することになった時のこと。今も主力商品の一つであるおしぼり用芳香剤LARME(ラルム)なのですが、金型に200万円が必要と言われました。今では笑い話ですが、当時の僕は200万円と言われてビビったんですよね。でも父親が“やればいいじゃないか。失敗してもいいじゃないか”と言って背中を押してくれました。
そのぐらいから、事業の全責任を自分が背負っている、絶対にこの産業を良くしてやるのだと思うようになりました。同時にいろいろな経営者の、大きく成功した方や、小さくても想いがある方や、さらには大学の先生に、海外も含めて会いに行きました。絶対にこの業界の価値観を変えてやろうと。それは多分家業に戻ってから、ずっと変わってはいない想いです。所詮タオル屋やおしぼり屋だろうとバカにされればされるほど、よりよく変えてやろうと思っていました。ただ、お金の責任を負っていなかったので、情熱は今も昔も変わらずにありますが、あの頃はまだ経営者とは言えなかったですね。」