2019/01/30
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経営者・リーダーのための「マインドフルネス・禅」実践塾・第1期開催レポート
第8回
禅的経営について考える(2)~松下幸之助編~/心理的安全性を高める禅の智慧
- マインドフルネス・禅
- 組織
- 経営
2019年初回ということで、抱負をシェアする時間を冒頭に。多くでていたキーワードは「自分らしく」、まさに禅の教えである「あるがまま」を感じる時間です。
Ⅱ.禅語カードワーク
禅語カードを使って、その読み方と意味を答えていきます。何度も繰り返し聞いているはずですが、改めて自分に言い聞かせる禅語と出会えたりする不思議な時間です。(下記一部抜粋)
・一期一会
→「期」=一生。
その出会いを一生に一度だと思う。
・自他一如
→自分と他人を分けて考えない。
相手の気持ち、立場に立って考える。
・対機説法
→相手の立場、感情、状況、
知識に合わせた言葉、振る舞いを選ぶ
=人を見て法を説け
・放下著
→不要なものを捨て、本当に大事なものを残す
・名利共休
→名誉や地位を一旦忘れ、一人の人として向き合う
Ⅲ.坐禅
今回は、25分の坐禅を2回行いました。
坐禅では、①調身→②調息→③調心という順番が重要です。
まずは身体を調え、息を調え、最後に心が調っていきます。
①調身
椅子に浅く腰掛ける。
足の裏を床にしっかりつける。
手は印を組み、丹田に置く。
体を左右に揺らし、重心を探る。
バランスのいい場所で静止。
背筋を伸ばし、体の力を抜く。
目は少し開ける(半眼)。
②調息
強い呼吸を利用する。
口から強めに息を吐き、反動で息を吸う。
3回繰り返し、口を閉じて通常の呼吸に戻す。
※数息観
→「ひとーつ」「ふたーつ」と数えながら坐禅をする
※随息観
→息が「出る」、「入る」(吸う、吐くではない)
坐禅を繰り返し行うことで、日々の集中力のスイッチの切り替えがスムーズになります。ストレスなく集中力を高める。また、自分と向き合い、無駄なものをそぎ落とす。そんな静かな時間が流れます。 Ⅳ.禅的経営の4ステップ
1.只管打座(ただ座る):自分を観察する
2.身心脱落(集中する}:挨拶などで相手を観察する
3.一体一如(周りと一体になる)
4.全機現(全ての機能を現す)
繰り返し学ぶことで、これらの流れを無意識に落とし込みます。
Ⅴ.松下幸之助氏の名言から禅的経営を探る(抜粋)
・新しきが花
→人間は新しいものに目がいく。時代に合わせる。
・生死事大(しょうしじだい)
→「死」があることで生が輝く
・工夫
→毎日改善や工夫をどれだけ重ねているか
・天上天下唯我独尊
→一人ひとりが尊い存在である
・離見の見
→自分を客観的に見る
・真玉泥中異(しんぎょくでいちゅうにいなり)
→どんな環境でも一生懸命に頑張っている人は輝く
・隻手音声(せきしゅおんじょう)
→相手の心の声に耳を傾けましょう
※片手だと音を鳴らない。耳から聞こえる
音だけではなく、より深い声を聴くべきだ
・一雨千山潤(いちうせんざんをうるおす)
→一つの言葉や想いが全員を動かすことがある
=言辞施。言葉は無財のお布施。
など
Ⅵ.チームの心理的安全性を高める禅の智慧
チームの生産性向上のためにGoogleも実践している「心理的安全性」を紐解きます。
=「ありのままの自分」でいても大丈夫
=お互いへの信頼、敬意、尊敬がある
・心理的安全性を高める6ステップ
①マインドフルかつ支援型リーダーになる
②チームを観察する、傾聴する
③肩書きを外す、失敗談を語る
④とりあえずやってみる、学習し続ける
⑤対話する、発言リスクをとる
⑥個性・強みを発揮する
※花開蝶自来(はなひらけばちょうおのずとくる)
心理的安全性が保たれているか。保たれていなければ、どうすればよいのか。それらを考えながら、体得していきます。
<講師プロフィール>
島津清彦(しまづ・きよひこ)
株式会社シマーズ 代表取締役
禅の心“で人・組織を強くする「ZENマインドプロデューサー」
元スターツピタットハウス代表取締役。元ソニー不動産取締役。
東日本大震災での被災を機に上場企業の社長というキャリアを捨て、2012年、経営コンサルタントとして独立起業。その後、多くの世界一流リーダーが禅に辿り着くことを知り、自らも出家得度し仏門入り。経営者と禅僧という二つの顔をもちながら、現在は官公庁、大手企業を中心に禅を活かした経営・組織開発コンサルティングやリーダーシップ研修、講演、坐禅指導等を行う。NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』BSジャパン『日経プラス10』日経ビジネス、日経アソシエ、朝日新聞、毎日新聞、AERA、日刊ゲンダイ、夕刊フジなどメディアにも多数取材出演。著書に『仕事に活きる禅の言葉(サンマーク出版)』『翌日の仕事に差がつく おやすみ前の5分禅(天夢人)』がある。一人一人が自分の夢や使命に気づき、充実したキャリアやライフを送れるようサポートすることが使命。
座右の銘は一日一生。