TOP ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 忙しいビジネスパーソンのための「ルーティンづくり」の勧め

2018/08/16

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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

第4回

忙しいビジネスパーソンのための「ルーティンづくり」の勧め

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • 池田 貴将氏 株式会社オープンプラットフォーム 代表取締役 リーダーシップ・行動心理学 研究者
 

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私たちの毎日は、簡単には思い通りにならないものです。   「やりたい」と思ったことがあるのに、1日がスタートすると対応や想定外の出来事に追われてしまいます。メール対応、会議の資料提出、上司に頼まれた調べごと、顧客からの電話対応、同僚の悩みを聞き、妻から子供の進学の相談に対応し、食事の誘いに付き合います。 気付いたらやりたかったことは終わらないまま1日が過ぎてしまいます。   また、せっかくの週末は、有意義に過ごそうと思っていたのに、金曜日の夜にダラダラとしてしまったため、土曜日の午前中がつぶれたり、何をしようかと考えているうちに、日曜日の夕方になっていたりします。

無意味な過ごし方をしてしまった後悔が、月曜日に出社することへのモチベーションをさらに低下させてしまいます。

 

どうしたらコントロールのレベルを上げることができるのか? そんなことを考えたことはありませんか?

 

平日の仕事にせよ、終業後の自分の時間にせよ、土日のオフの使い方にせよ、時間を有意義に使える人たちは、とても充実感を持って日々を送っています。

 

私の仕事柄、高いパフォーマンスを発揮している人たちにインタビューをし、その成功の秘訣(ひけつ)や習慣に接していた中で、「高いレベルを出している人ほど、自分の中で手順、ルーティンを確立させている」ということに気付きました。

 

ルーティンとは、一連の手順です。

 

「まずAをする。そうしたらBをする。次にCをして、休憩10分の後、Dをしてから、Eをする」のように、次にやることで悩まないのがルーティンです。高いパフォーマンスを発揮する人は、ルーティンが自分の仕事の質や成果を作りだしていると熟知しています。

 

名刺交換をしてから、お礼のメールを送り、顧客リストに登録するまでの流れ。帰宅をしてから、1日の振り返りをし、自分のメンテナンスをして、就寝するまでの流れ。単なる習慣ではなく、「この手順、流れで取り組むという計算されたルーティン」を持っていますし、新しい良いことをルーティンに取り込むことに熱心です。

 

ルーティンがなければ、その場を慌ただしく過ごすことになります。朝起きて、慌ただしく家を出て会社に向かう、ドタバタと資料をかき集めてクライアント先に営業に行く、疲れて帰宅してきてビール片手に、英語の参考書を開くなどです。

 

何となく過ごすなかで、優れた結果を出すのはとても難しいことです。しかも、「ルーティンが崩れると、メンタルまでもが崩れやすくなる」ということがよく起こります。不安定な日々の過ごし方の上に、安定した精神を確立することは困難なのです。

 

忙しい経営者やビジネスパーソンが、仕事の合間をぬって、重いバーベルを持ち上げたり、1000メートル泳いだり、早朝からヨガで心身を整えたり、運動をするのも、彼ら、彼女らの「ルーティン」であり、それが精神の安定を与えてくれるからなのです。

 

私たちには3つのモードがあります。

 

 

1つ目が意思のモード

 

思考し、判断し、選択をするという結果を出すには欠かすことのできないモードです。成長し、周囲を導くリーダーシップを発揮し、出世街道に乗る、将来の起業の準備をするなど、「未来を作る、結果を作る」のはこのモードです。

 

 

2つ目が衝動のモード

 

私たちの脳の中にある、より原始的な脳に支配されているモードです。主に、想定外のことが起きるとそれに振り回されるようになります。この衝動のモードでいると、日々自分の目の前の出来事への反応が最優先されます。そのときの気分で動いてしまうのも、衝動のモードでいるためです。

 

さまざまな時間管理の研究の中で、「自分の時間の使い方を記録すること」を勧めています。「あれ? この2時間、何をしていたんだろう?」となってしまう時は、衝動のモードだったからです。「刺激と反応」というとても原始的な状態なので、「え? こんなことやる予定じゃなかったのに」という状態になってしまいます。これで結果が出るはずがありません。

 

 

プロフィール

  • 池田 貴将氏

    池田 貴将氏

    株式会社オープンプラットフォーム 代表取締役 リーダーシップ・行動心理学 研究者

    早稲田大学在学中よりベンチャービジネスの新規事業立ち上げなどに関わり、ビジネスの中での「心理学」の重要性を感じる。
    その中で、成果をもたらす心理学の中で、世界的に有名なアンソニー・ロビンズのトレーニングを受けに渡米し、アンソニー・ロビンズの主要トレーニングをすべて修了。
    大学卒業後、株式会社オープンプラットフォームを設立。
    起業家・経営者・ビジネスリーダー向けのスクールを主宰。ビジネスの成果を上げる「感情と行動をつくる心理学」と、東洋の「人間力を高める学問」を統合した独自のメソッドが注目を浴び、書籍や雑誌などに数多く取り上げられる。
    その誠実に学び続ける姿勢と、膨大に蓄積した知識を活かした講座は「専門家」も多く参加するセミナーとして全国で広く知られている。世界で活躍するビジネスリーダーを輩出することをミッションに、全国で活動している。
    著書『覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰』『動きたくて眠れなくなる。』(サンクチュアリ出版)『未来記憶』『心配するな。』(サンマーク出版)『がんばらないほうが成功できる』(PHP出版)など累計で40万部を突破。

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