TOP ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 油まみれの鉄工所がなぜ、ディズニー、NASAから認められたのか?

2018/08/30

1/2ページ

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

第6回

油まみれの鉄工所がなぜ、ディズニー、NASAから認められたのか?

  • キャリア
  • ビジネススキル
 

60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >

 

 

■油まみれの町工場から24時間無人加工の夢工場へ

はじめまして。HILLTOP 代表取締役副社長の山本昌作と申します。   私には、40年以上前から、変わらぬ夢がありました。   「社員が誇りに思えるような“夢の工場”をつくろう」   「油まみれの工場を“白衣を着て働く工場”にしてみせる」   HILLTOP(以下、ヒルトップ)の前身は、1961年に私の父が創業した「山本精工所」。自動車部品を製造する小さな町の鉄工所(1971年に「有限会社山本精工」、1980年に「山本精工株式会社」に変更)でした。

自動車メーカーの孫請けだった油まみれの鉄工所は、さまざまな試行錯誤の結果、今や、「多品種単品のアルミ加工メーカー」に脱皮しました。

 

毎日同じ製品を大量生産していた町工場は、「24時間無人加工の夢工場」へと変身。今のヒルトップに、油まみれで働く社員は、一人もいません。ヒルトップのビジネスモデルは、従来のモノづくりとは一線を画しています。

 

鉄工所でありながら、

 

  • 「量産ものは、やらない」

  • 「ルーティン作業は、やらない」

  • 「職人は、つくらない」


 

といった型破りな発想を実現しているのが、ヒルトップの「夢工場」です。

 

以前、本社に初めて来た人が言いました。「社員も経営者も、遊びながら仕事をしているようですね。ここは、まさに“遊ぶ鉄工所”ですね」

 

「ここは何の会社? 鉄工所? ありえない!」といわれるヒルトップですが、れっきとした鉄工所です。

 

■売り上げ、社員数、取引社数全て右肩上がりの理由

しかし、日々遊んでばかりいるわけではありません。業界常識を一掃した生産システムによって、収益構造は大幅改善。利益率は、「20~25%」までアップしました。

 

一般的に、鉄工所の利益率は「3~8%」ですから、この数字は業界水準を超える「驚異的な数字」なのかもしれません。この10年間、売り上げ、社員数、取引社数ともに右肩上がりです。

 

取引先は国内だけでなく世界中で、2018年度末に3000社を超える見込みです。中にはウォルト・ディズニー・カンパニーやNASA(アメリカ航空宇宙局)、自動車配車アプリ「Uber」を運営するウーバー・テクノロジーズなど世界トップ企業も含まれます。

 

 

プロフィール

  • 山本 昌作氏

    山本 昌作氏

    HILLTOP代表取締役副社長

    自動車メーカーの孫請だった油まみれの鉄工所を、「“白衣を着て働く工場”にする」と、多品種単品のアルミ加工メーカーに脱皮させる。鉄工所でありながら、「量産ものはやらない」「ルーティン作業はやらない」「職人はつくらない」という型破りな発想で改革を断行。
    毎日同じ部品を大量生産していた鉄工所は、今や、宇宙やロボット、医療やバイオの部品まで手掛ける「24時間無人加工の夢工場」へ変身。
    取引先は、2018年度末で世界中に3000社超になる見込。中には、東証一部上場のスーパーゼネコンから、ウォルト・ディズニー・カンパニー、NASA(アメリカ航空宇宙局)まで世界トップ企業も含まれる。
    鉄工所の平均利益率3~8%を大きく凌ぐ「利益率20%を超えるIT鉄工所」としてテレビなどにも取り上げられ、年間2000人超が見学に訪れる。生産性追求と監視・管理型の指導を徹底排除。「ものづくりの前に人づくり」「利益より人の成長を追いかける」「社員のモチベーションが上がる5%理論」を実践。
    入社半年の社員でもプログラムが組める仕組みや、新しいこと・面白いことにどんどんチャレンジできる風土で、やる気あふれる社員が続出。人間本来の「合理性」に根ざした経営で、全国から応募者が殺到中。
    「楽しくなければ仕事じゃない」がモットー。本書が初の著書。

    この登場者の記事一覧をみる