2018/07/26
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第1回
理不尽が多い人ほど、うまくいく
- キャリア
- ビジネススキル
- 中谷 彰宏氏 作家
それは自分の理解が足りないからです。または、先にラーメンが来た人は感じのいい人で、自分は不愛想だったのです。誰でも感じのいい人のところに先に持っていきたくなります。扱いに差がつくのには原因があるのです。それを「自分は何も落ち度はないのに、後まわしにされた」と怒っているのです。
愛想が悪く「自分はカネを払っている」という態度が、すでに落ち度です。人間がすることなので、好かれるか嫌われるかで順番が入れ替かわるのは当然です。ラーメンが早く来て欲しいなら、感じよくすればいいだけのことです。
理不尽だと騒いでいる人は、「原因がないのに自分が損をこうむっている」と思っています。「理不尽」と言っている間は、自分がその原因を作っていることに気付くことができないのです。
理不尽を理解するキャパを、身に着けることです。
■学校では教わらない理のことを、理不尽と呼ぶ
学校ではロジック(理屈)を教わります。「原因があって結果が生まれる」というのが、ロジックです。社会に出ると、理不尽なことがたくさんあります。それは学校では教わっていません。理不尽だと騒いでいる人は、「小学校のルールを適用してくれ」と騒いでいるのと同じです。
小学校はシンプルなルールで成り立っています。大人のルールは、もっと複雑です。大人のルールを知らずに小学校のルールのままで判断して、「理不尽だ」と言っているのです。
あらゆる場所で、その場その場のルールがあります。小学校では、「ルールはこれです」と言われてルールブックを渡されます。社会にはルールブックがありません。どこの壁にも、その場のルールは貼っていません。社会のルールは、自分で見抜いていくものです。「聞いていない」と言いますが、そもそも教えてくれないのです。小学校は、先に「こういうルールですよ」と教えてくれます。
社会では、その場における暗黙の了解があります。みんながそのルールで動いています。それを見抜くことが大切です。それを見抜けなくて聞いていないと騒いでいるのです。
小学校のルールをそのまま適用しようとしても、ムリがあります。人生で一番の衝撃は20代で起こります。社会のルールは複雑です。それを小学校のシンプルなルールにムリに当てはめようとすると、理不尽まみれになるのです。
社会のルールは誰も教えてくれないので、自分で見抜いていくしかありません。それに気付けた人は、理不尽が理不尽でなくなります。「こんなのルールなしじゃないですか」と言うのは、ただルールが見えていないだけです。
見えていないルールにいかに気付くかです。20代のうちに理不尽体験をたくさんしておくのは、いいことです。30代、40代になっても小学校のルールのまま通そうとしていると、もっときつくなるのです。
20代で、理不尽をできるだけ多く体験しておくことです。理不尽が多いことは、不運なことではありません。社会には、「理不尽なこと」と「理不尽でないこと」があります。「理不尽なこと」もあるのではありません。「理不尽でないこと」も、たまにあるのです。
基本は、「理不尽なこと」です。「理不尽なこと」は、当たり前なのです。「理不尽なこと」に、いちいち眉を逆立てない人が、大人なのです。「理不尽なこと」をたくさん体験していると、理不尽に強くなります。「理不尽なこと」への対応方法の引き出しを、増やしていくことができます。ということは、理不尽なことに、多く遭遇する人が、理不尽に強くなって、うまくいく人なのです。
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■書籍情報
『「理不尽」が多い人ほど、強くなる。』
著者:中谷彰宏
出版社: きずな出版
価格:1512円(税込)
※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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