2016/06/06
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スペシャルコラムドラッカー再論
第29回
「成果を上げる」とは?(続)
- エグゼクティブ
- マネジメント
- 井上 和幸 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO
ドラッカーは、成果を上げる人はリーダー、カリスマである必要はない、という。
「私がこれまでの65年間コンサルタントとして出会ったCEOのほとんどが、いわゆるリーダータイプでない人だった。性格、姿勢、価値観、強み、弱みのすべてが千差万別だった。外交的な人から内向的な人、頭の柔らかな人から硬い人、大まかな人から細かな人までいろいろだった」(『経営者の条件』1966年)
では、その共通点はないのだろうか?
ここでドラッカーは、成果を上げる人=人物タイプではなく「何をなす人」なのか、という視点展開を我々に開示する。
「彼らが成果をあげたのは八つのことを習慣化していたからだった。
(1)なされるべきことを考える
(2)組織のことを考える
(3)アクションプランをつくる
(4)意思決定を行う
(5)コミュニケーションを行う
(6)機会に焦点を合わせる
(7)会議の生産性をあげる
(8)「私は」でなく「われわれは」を考える 」(『経営者の条件』)
8つのうちの、最初の2つは、「我々は、そもそもどのような成果を上げるべきなのか。なにが成果なのか」を知るためにある。
次に(3)~(7)で、どのようにすれば成果を上げることが出来るのかを知り、そしてその実行により、実際の成果を上げることができる。
そして、最後の(8)によって、マネジメントである我々は、その行為を自分単独のものではなく、組織内全員のものとし、メンバー全員に責任感と主体性をもたらすことができるのだ。
次回、その実践について詳しく見ていきたい。