TOP これからのリーダーシップ、プロ経営者論 ダニエル・キム教授が提唱する「組織の成功循環モデル」は、個人が成功するための考え方にもなる。(1/5)

2017/08/08

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これからのリーダーシップ、プロ経営者論

第1回

ダニエル・キム教授が提唱する「組織の成功循環モデル」は、個人が成功するための考え方にもなる。(1/5)

  • スペシャル対談
  • リーダーシップ
井上 小杉さんの著書『元人事部長が教える「結果を出す人」の働きかた』(大和書房)を興味深く拝読したのですが、その冒頭でダニエル・キム教授(マサチューセッツ工科大学)の「組織の成功循環モデル」を紹介されていましたよね。《組織の成功は「関係の質」「思考の質」「行動の質」「結果の質」の4つの要素にどのような順に取り組むかで決まる》。そして、「関係の質」から取り組むのが「Good cycle」で、「結果の質」から取り組むのが「Bad cycle」だという話でした。
小杉さんは、この理論は組織の成功だけではなく、《一社員が成功するための考え方にもなる》と書かれていましたが、まずは、そのあたりからご説明いただいてよろしいでしょうか。

 

小杉 それはこういうことです。企業では結果を求められるので「では、どうやって結果を出すか?」という話を考えます。管理者なら、「どうやってチームで結果を出すか?」、社長なら、「どうやって会社で結果を出すか?」と考えるわけですが、そうすると循環はつながりません。結果に集中すると、特に結果が出ないときは「できた、できない」あるいは「どこが悪い、何を改善すべき」という話になって、疑心暗鬼になり守りの姿勢をとるようになり、関係の質は悪くなります。そして、関係の質が悪くなると思考停止に陥り、後ろ向きになって、「言われたことだけやればいい」と思うようになるから行動が委縮する。行動が起こらないと結局は成果につながらない。すると責任のなすり付けあいや自己防衛により、関係がさらに悪化する――というのが、多くの企業が実際に陥っている問題ですよね。

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プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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  • 小杉 俊哉氏

    小杉 俊哉氏

    合同会社THS経営組織研究所 代表社員

    早稲田大学法学部卒業後、日本電気株式会社(NEC)入社。
    マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学大学院修士課程修了。
    マッキンゼー・アンド・カンパニー、ユニデン株式会社人事総務部長、アップル人事総務本部長兼米アップル社人事担当ディレクターを経て、39歳で独立。
    慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科准教授などを経て、合同会社THS経営組織研究所を設立。元立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科客員教授。慶應義塾大学大学院理工学研究科特任教授。
    著書に、『起業家のように企業で働く』、『リーダーシップ3.0』などがある。

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