TOP ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 一流のチームは一日にして成らず――『易経』が教えるブレないリーダーの心構え

2023/11/09

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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

第171回

一流のチームは一日にして成らず――『易経』が教えるブレないリーダーの心構え

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  • ビジネススキル

 
多くの意見を入れる「空の器」になれ

「器は空にして用をなす」
 
という言葉があります。器というのは、中身が空であってこそ役に立つのだ、という意味です。これは「陰徳」「器の大きさ」「度量」などと表現される陰の力で、相手の意見や気持ちを受けいれる傾聴など、包容力を示します。
 
持論でパンパンに自我をふくらませた上司や先輩や親に、何か提案したいと思いますか?もう頭に入る余地などなく、何を提案してもムダと考えるでしょう。
 
「陰徳」「陰働(かげばたら)き」といった、表には出なくても陰でそっとなされる善行があります。そうしたことのできる人がいる組織や家族は幸福です。
 
気づかないうちに皆が正しい方向に向かい、幸福になっていくのですから。傾聴も同じです。何もしていないようでも、話をじっくり聴いてくれる存在の有難さは、あなたにも思い当たるはずです。

「陰徳」の大切さ

積善の家にはかならず余慶あり」
 
という名言が『易経』にはあります。これは、善行を積んだ家にはかならず幸福が訪れるという意味です。「陰徳の人」というのは一見すると損をしているように見えますが、もっと視野を広げて長い目で見れば、そういった行為の積み重ねは、当人だけでなく子々孫々にまで幸福をもたらします。
 
もしかしたら、自分の生きているうちには間に合わないかもしれません。でも子孫にはいつかかならず幸福が訪れます。その時、善行を積んだご先祖であるあなたに尊敬の念が起こるでしょう。反対にあなたの行ったのが悪事であれば、どうなるでしょう。
 
大人はたとえ何も為さなくても、度量があれば十分な存在意義があります。さらに陰徳を積めれば、きっといつか良いことがあるでしょう。あなたにも、周りのあなたを頼りに思う人々のすべてにも。その時あなたは、尊敬の対象になるのです。
 
【易経からの問い】あなたにしかできない「人知れず自分がすべきこと」は、何でしょうか?
 
本稿で取り上げたリーダーの心構えは、紀元前から語り続けられてきた先人の叡智です。「時流に乗る者は時流により滅ぶ」という真理の裏で、三千年もの歴史の波を経て生き抜いた『易経』には、決してブレないものがあります。より詳しく知りたい方は、拙著『人を導く最強の教え『易経』 「人生の問題」が解決する64の法則』』をぜひご参照ください。 他の記事も読む。60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >
 
■書籍情報
人を導く最強の教え『易経』 「人生の問題」が解決する64の法則 単行本(ソフトカバー)
 
著者: 小椋 浩一
出版社:日本実業出版社
価格:1,980円

この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。

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プロフィール

  • 小椋 浩一氏

    小椋 浩一氏

    易経研究家

    1965年名古屋生まれ。某電機メーカー経営企画部プロジェクト・マネジャー。名古屋大学大学院経営学博士課程前期修了。早稲田大学商学部卒業後、上記電機メーカーに入社。海外赴任を経て会社を「働きがいのある会社ベスト20」に導くが、キャリアの絶頂期に新規事業で大損失を出し居場所を失う。その後『易経』との出会いで人生観が180度変わる。現在は、全社横串の次世代リーダー育成の傍ら、社内外でセミナーや講演を多数行っている。

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