2023/07/20
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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第160回
組織を短期間で劇的に改革する方法――自分の内面を見る&会計理解
- キャリア
- ビジネススキル
- 松本 めぐみ氏 松本興産株式会社 取締役
「動いていない固定資産をどう活用し利益を生み出すのか?」「どんな仕事を営業にとってきてもらえば良いか?」全部署で知恵を出し合います。それで立場の分断、部署の分断、経営者と従業員の分断の溝も埋まっていきました。
皆、豚の貯金箱と風船を眺める事で会社全体を俯瞰する事ができるので意識が変わるのです。例えば、会社から売上目標「1000万円」と言われた時に受け取り方は人それぞれなのです。
営業担当だったら「会社はまたむちゃな数字を押し付けてきて……」と感じるかもしれないし、製造部の人なら「自分には関係無い」と思うかもしれないし。社長だったら「本当は1200万を望みたいけど、1000万でと妥協しよう」と。
これが、風船会計で全員が会社全体を俯瞰していたら「なぜ、1000万必要なのか?」という事がBS、PLから理解できるのです。
人はブラックボックスになっていると怖いのです。決算書が理解できないという事は会社がブラックボックスのようです。何の車に乗っていて、何人乗せる事ができるのか? どこを走っているのか? 今は攻めていいのか? どこで休憩すれば良いのか? など分からないからとにかく不安なのです。
当社はコロナ禍で業績が3年近く落ちました。売上が20%近く落ちて赤字の時期が続いたのです。その時に風船会計メソッドを使って社員達と毎週話し合っていました。大きく落ちた売上でしたが、あがいても不景気で売上を増やす事ができなかったのです。では、どうやって資金を捻出するか? 売上債権のサイト日数が長かったので、それを短縮する為に営業部がお客さまと交渉を始めました。すると、8億円もあった売上債権が5億円に減ってくれたのです。解消された3億は現金になったので新たに借入をしなくて済みました。
もし、風船会計が無かったら私はBSを深く理解はしていなかったので新たに借入をしていたでしょう(ゼロゼロ融資もあったので)。そうすると、ゼロゼロ融資の返済が始まった今頃相当苦労していたと思います。
私はセミナーや他社の企業研修でこれまでに600人以上の経営者、会社員、主婦、学生、子ども達に風船会計を教えてきました。2時間半のセミナーで全く会計に携わっていなかった人も会計に詳しい人も「目からうろこだ!すごい!」と驚きと喜びを感じてもらえます。書籍を読んだ反響もたくさんありました。人には限りないチカラがあり、ちょっと違う角度から教える事でそのチカラが開花します。
経営者やリーダーだけが頑張るのではなく、会計を理解しておく事でどんな立場の人でも考える力が付き、アイディアを出せます。また、そのアイディアは会計が裏付けされているから聞き入れてもらえ、それが自信につながり必然的に幸せに結び付きます。「自分は歯車ではない」という事を体感できるのです。このように風船会計は劇的に組織を変容できる効果があります。
大人だけでなく子ども達にも風船会計を教えています。いつか義務教育に入れたいと考えています。子どものうちから 決算書を読め、俯瞰力を付け、組織で国籍、性別、部署、経歴という溝を消せる力を。自分の内面を見る事と会計理解で組織は変容します。 他の記事も読む。60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >
■書籍情報
知識ゼロでも分かる 風船会計メソッド 単行本(ソフトカバー)
著者: 松本 めぐみ
出版社:幻冬舎
価格:1,650円 ※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
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