2022/11/29
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イマ、ココ、注目社長!
第293回
月間400万人利用の「調整さん」。プロダクト愛から起業へ。【後編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- 北野 智大氏 ミクステンド株式会社 代表取締役
2018年にミクステンドを創業し、リクルートから日程調整ツール「調整さん」を事業譲受した北野智大さん。学生時代から「調整さん」事業に携わってきた知見を活かし、月間400万人が利用するまでに成長させました。さらに、ビジネス版日程調整ツール「TimeRex」をリリースし、10万人の会員を獲得。
インターンからフリーランスのエンジニアになり、事業を買い取る目的で起業するというユニークな道を歩んできた北野さんに、起業後の歩みや今後の展望を尋ねました。
起業して「調整さん」を譲受
――2018年にミクステンドを創業して、その直後にリクルートから「調整さん」の事業を譲渡されています。非常に珍しいパターンだと思いますが、どんな背景があったのですか?
北野 リクルートで事業の見直しが行われたなかで、ユーザーが多い「調整さん」は事業売却しようという話が上がりました。その時、売却先で同じ仕事をやるという想像がつかなかったんですよね。それまで4年間、「調整さん」と向き合ってきたので、意思決定も含めて自分でやりたいという想いが沸いてきて、「売却先を探しているなら、僕が会社を作って買い取りたい」と上長に伝えました。最初は冗談だと思われていたようですが(笑)
――そこまで惚れ込んでいたんですね。
北野 ほんとにその感じに近いと思います。プロダクトへの愛という要因が大きかったですね。それに自分が引き継ぐことで事業としてもっと伸ばせるという自信もありました。買い取りたいと話をした時にも、どうやって事業を成長させるのかという構想を伝えました。
――その構想にリクルートも納得した?
北野 譲渡先としてどういう評価をされていたのか、わかりません。でも、リクルートが最も懸念するのは、自社の事業がよくわからない業者に売却されて、ユーザーに迷惑がかかるということだと思います。その点、サービスを運営していけると評価されたのは嬉しかったですね。
――ひとりで起業して、もともとチームでやっていたことを引き継ぐのは大変だと思います。
北野 正直に言うと、開業当初はかなり大変な時期もありましたね。僕と週2日勤務の経理だけだったので、昼間に営業に行って、帰社して調整さんの運営をしながら今後のことを考え、夜遅くに帰宅したらなにか障害が起きて、エンジニアとして対応するという時もありました。
半年ぐらいは...
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