2022/11/17
1/2ページ
ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術
第136回
日頃のイライラがワクワクに変わる“働きがい心理学”とは?
- キャリア
- ビジネススキル
- 田岡 英明氏 株式会社働きがい創造研究所 取締役社長 / 株式会社FeelWorksエグゼクティブコンサルタント / 国家資格キャリアコンサルタント / 全米NLP協会公認 NLPトレーナー
3つの壁を越えるための具体策としては、書籍の中で伝えている3つのコミュニケーションが必要となってくる。
1つ目は自己内省だ。これは自分とのコミュニケーションといえる。自分の中にある仕事で大切にしたい事や生かしていきたい強みを、マネジメントや自身の仕事の中で生かすためには、どのような考え方や働き方が必要なのかを考えていく。
2つ目は、部下との面談だ。定期的に1対1の面談機会を設け、部下を理解し支援につなげていく。コミュニケーション方法については、部下の能力ややる気に合わせて、ティーチング型コミュニケーションとコーチング型コミュニケーションを使い分けていく。
3つ目は、組織内対話だ。昔は飲み会で社内交流をすることができたが、今は意識してコミュニケーションの場を作る必要がある。その時々の課題や話題を題材にミーティングの場を設け、相互理解を促していくのである。
管理職がこれら3つのコミュニケーションにより3つの壁を乗り越えることができれば、管理職としてのゆるぎないマインドが醸成され、自身が元気になっていく。さらに部下とのゆるぎない信頼関係は部下をも元気にしていく。そして、組織内の関係の質が高まることによって、今まで以上に高い組織成果を生み出すことができ、仕事のやりがいや働きがいが組織に広がっていくのだ。この「働きがい」の好循環を生み出していってほしい。
最後に、管理職自身が日常から心掛けてほしい5つのポイントを紹介する。
1つ目は、定期的なピットイン(内省)の時間を持つことだ。日々の忙しさに流されていては、働きがいを感じることができない。
2つ目は“ワクワク“することを軸に、自身の人生をつくることだ。働きがいの源泉は、自身の情熱を傾けられる仕事にある。どのように仕事をすすめていったら”ワクワク“するのかを常に考えてほしい。
3つ目は、日頃から心の声に意識を傾けることだ。日々の違和感や疑問を大切にしてほしい。そこに人と組織に働きがいを育むヒントが隠されている。
4つ目は、目の前の事象や他者からの言葉を、フィードバックと捉えてほしい。人生で起こることに無駄なことはない。必ず後から振り返ってみると、自身の成長を促しているはずである。
5つ目のポイントは、他者の自己重要感を満たす関りを意識することだ。管理職の皆さんなら、部下の自己重要感を満たす関りになる。人間の脳は、自己に対して行ったことと、他者に対して行ったことの区別がついていないといわれる。部下の自己重要感を満たす関りは、自身の自己重要感も満たしていくのである。
以上、管理職の皆さんに「働きがい心理学」をベースとした組織運営のポイントを伝えてきた。“自己重要感”と“自己成長”をベースとした「働きがい心理学」の実践が、管理職、部下、ひいては世の中を明るくしていくことを願っている。日常使いでの「働きがい心理学」を、お役立ていただきたい。 他の記事も読む。60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >
■書籍情報
マネジメントのイライラが消える! 実践「働きがい心理学」 オンデマンド (ペーパーバック)
著者:田岡 英明
出版社:株式会社FeelWorks
価格:1,518円(税込)
※この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。
Copyright(C)ITmedia,Inc. All Rights Reserved.