2022/03/23
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イマ、ココ、注目社長!
第218回
強制労働下で生まれたプロダクトはもう、先進国では通用しない。【前編】
- 経営者インタビュー
- 経営
- 組織
- 注目企業
- グローバルトラストネットワークス 代表取締役社長 後藤 裕幸氏
グローバルトラストネットワークスの代表取締役社長・後藤裕幸さんは、中央大学法学部在学中に起業。その後、アジアにおけるマーケティングリサーチ及び進出コンサルティング会社を設立するも、本意ではないかたちで手放すことになりました。しかし、起業家を諦めるのは負けだと奮起し、外国人を支援するグローバルトラストネットワークスを設立されています。グローバル化が叫ばれている今、本当にグローバルな世の中を作る方法を後藤さんに伺いました。
(聞き手/井上 和幸)
日本社会を変えるのは起業家だ
──中央大学在学中に起業されたのですよね。
後藤 もともとは、総理大臣になろうと思っていたんですよ。弁護士になって政治家になるというキャリアプランを描いて熊本県から上京してきました。が、そうはなりませんでした。浪人時代からビジネスや経済について勉強していましたが、その頃、留学生と出会い、株のサークルを作りました。名前は「株マシーン」。サークルには初年度で50名くらい集まりました。そのとき出会った留学生の韓国人はとても優秀でした。
私は、東京に来たことで自分自身の世界観は広がったと思っていましたが、留学生はもっとグローバルに物事を考えていました。当時、シリコンバレー型のビジネスモデルが勢いを増し、各国がITを活用した国家プロジェクトを推進していました。そのような状況下、「これからは中国のアリババが伸びる」と、アリババが創業した翌年の2000年には、既にそのような話をしていました。彼らと出会ったことで私も視野が広くなり、留学生と一緒に学生時代からベンチャーを立ち上げることになったんです。そのときはオンラインゲーム、ファッションサイトをスタートさせました。
──そうだったのですね。ではもともと大学進学で上京されたときには首相になろうと思われていたんですね。
後藤 2年浪人して引きこもっていたとき、鬱屈した日本に対する怒りを持っていました。「この国は外交や教育が死んどる」みたいな。当時、年間約35,000人もの自殺者がいました。毎日、約100人が自殺している。自殺予備軍はその何倍もいて、10万人を超える人が苦しんでいました。私自身も自殺を考えたことがあります。そのような背景のなか、「この国を変えなきゃ。社会を変えなきゃ」という想いになりました。そのためには総理大臣になるのが一番、手っ取り早いと考えました。
──それが、留学生の方々との出会いもあって変わっていったのですね。
後藤 政治家になるために、国会議員を多数輩出している松下政経塾に入ろ...
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